Authorized Shares

### 概要 授権株式数（Authorized Shares または Authorized Stock）とは、株式会社が、その設立時の定款（またはその後の定款変更）によって、将来にわたって発行することが法的に認められている株式の総数の上限を指します。 ### 発行済株式数との違い - **授権株式数:** 会社が「発行できる可能性のある」株式の最大枠。 - **発行済株式総数 (Issued Shares / Outstanding Shares):** 実際に株主に対して発行され、流通している株式の数。 通常、授権株式数は発行済株式総数よりも多く設定されており、その差は「未発行株式（Unissued Shares）」となります。 ### 目的 会社が将来、追加の資金調達（増資）、ストックオプションの発行、株式交換による企業買収などを行う必要が生じた場合に、その都度株主総会での定款変更決議を経ることなく、取締役会の決議などで機動的に新株を発行できるように、あらかじめ発行可能な枠を定款で定めておくことが主な目的です。 ### 規制 会社法などにより、設立時に発行する株式数や、発行可能株式総数の上限に関する規定が設けられている場合があります。例えば、日本の会社法では、原則として公開会社は発行済株式総数の4倍を超える授権株式数を設定できない、といった制限があります（ただし、種類株式の発行などにより例外あり）。 授権株式数は、企業の将来の資本政策の柔軟性を示す指標の一つですが、実際に発行されている株式数とは異なる点に注意が必要です。この情報は通常、企業の定款や年次報告書（有価証券報告書など）に記載されています。