BoE (Barrel of Oil Equivalent)

### 概要 原油換算バレル（Barrel of Oil Equivalent, BOE または boe）は、主に石油・ガス業界において、天然ガスや天然ガス液（NGL）など、原油以外のエネルギー資源の量を、それらが持つエネルギー（熱量）を基準として、同等のエネルギー量を持つ原油の体積（バレル）に換算して表すための単位です。 ### 目的 異なる種類のエネルギー資源（固体、液体、気体）は、体積や重量で単純比較することができません。BOEを用いることで、異なる資源の埋蔵量、生産量、消費量などを、エネルギー量という共通の尺度で比較・合計することが可能になります。石油・ガス会社が自社の埋蔵量や生産量を報告する際などに広く利用されています。 ### 換算基準 換算の基準となる熱量は、必ずしも厳密に統一されているわけではありませんが、一般的には以下のような標準的な換算係数が用いられます。 - **天然ガス:** 約6,000立方フィート（Mcf）の天然ガスが、約1バレルの原油と同等のエネルギー量を持つとされます (6 Mcf ≈ 1 BOE)。ただし、ガスの熱量によってこの値は変動します。 - **単位:** しばしば千BOE (MBOE)、百万BOE (MMBOE)、十億BOE (BBOE または GBOE) といった単位で用いられます。 ### 利用場面 - **石油・ガス会社の業績報告:** 埋蔵量や生産量を、原油と天然ガスなどを合算してBOE単位で報告します。 - **エネルギー統計:** 国や地域全体のエネルギー生産量や消費量を、異なる資源をまとめて示す際に用いられることがあります。 - **プロジェクト評価:** 原油と天然ガスを同時に生産するプロジェクトなどの経済性評価において、生産量をBOEで統一して評価することがあります。 BOEは、異なるエネルギー資源を共通の土俵で比較するための便利な単位ですが、あくまでエネルギー量に基づく換算であり、価格や価値が等しいことを意味するわけではない点に注意が必要です。