HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)

### 概要 HACCP（ハサップ）とは、**H**azard **A**nalysis and **C**ritical **C**ontrol **P**oint の略称で、食品等事業者自らが、危害要因（ハザード）を把握した上で、原材料入荷から製品出荷までの全工程中、危害要因除去・低減に特に重要な工程（重要管理点 CCP）を特定し、継続的に監視・記録することで製品安全性を確保する衛生管理手法です。「危害分析重要管理点」と訳されます。 ### 背景 元々、米国で宇宙食の安全性を確保するために開発され、その後、国際的（コーデックス委員会等）に導入が推奨されるようになりました。 ### 7原則12手順 HACCPシステムの構築は、準備段階（手順1～5）とHACCP計画策定（手順6～12、7原則）に従って進められます。 【原則1】危害要因分析【原則2】CCP決定【原則3】管理基準(CL)設定【原則4】モニタリング方法設定【原則5】改善措置設定【原則6】検証方法設定【原則7】記録と保存方法設定 ### 特徴 - **予防的アプローチ:** 工程全体を通じて危害要因を管理し、問題発生を未然に防ぎます。 - **科学的根拠:** 危害要因分析や管理基準設定は科学的データに基づきます。 - **継続的な監視・記録:** CCPでの監視結果を継続記録し、逸脱があれば速やかに改善措置をとります。 ### 日本での制度化 2018年の食品衛生法改正により、原則として全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理実施が義務付けられました（2021年6月完全施行）。 HACCPは、食品安全確保のための国際標準的な衛生管理手法です。