Manufacturer’s Suggested Retail Price

概要

メーカー希望小売価格（Manufacturer’s Suggested Retail Price, MSRP）とは、製品の製造業者（メーカー）が、自社製品を最終消費者に販売する小売業者（販売店）に対して、参考として提示する小売価格のことです。「希望小売価格」や、単に「メーカー希望価格」とも呼ばれます。

特徴

• 非拘束性: MSRPはあくまでメーカー側の「希望」や「推奨」であり、小売業者はこの価格で販売する法的な義務はありません（※）。小売業者は自社の判断で実際の販売価格を決定できます。
• 価格の目安: 消費者にとっては製品の価格水準を知るための一つの目安となります。
• ブランドイメージ: メーカーにとっては製品価値やブランドイメージを維持- コントロールするための一つの手段です。

（※日本では、独占禁止法によりメーカーが小売価格を拘束すること（再販売価格維持行為）は原則禁止されています。）

近年の動向

価格比較サイトの普及や価格競争激化などから、MSRPを設定せず、実際の市場価格に委ねる「オープン価格」を採用する製品が増加しています。

利用場面

自動車、家電製品、アパレル、加工食品など、多くの消費財で見られます。

MSRPはメーカーが考える製品価値の一つの表現ですが、実際の購入価格とは異なる場合が多い点に留意が必要です。