Non-Negotiable

### 概要 ノンネゴ（Non-Negotiable, N/N）とは、「譲渡不能な」という意味の英語です。貿易や物流の文脈では、主に運送書類、特に船荷証券（Bill of Lading, B/L）に関連して用いられ、その書類が**裏書（Endorsement）によって第三者に譲渡できない**性質を持っていることを示します。 ### 対象となる書類 - **記名式船荷証券 (Straight B/L):** B/LのConsignee（荷受人）欄に特定の個人名や法人名が記載されており、その記載された荷受人のみが貨物を受け取ることができるB/Lです。裏書による譲渡は認められておらず、典型的なノンネゴ書類です。 - **海上運送状 (Sea Waybill):** B/Lとは異なり、有価証券性（権利証券性）を持たず、貨物の受領証と運送契約の証拠としての機能のみを持つ書類です。これも譲渡不能であり、ノンネゴ書類に分類されます。貨物は、書類に記載された荷受人であることが確認されれば引き渡されます。 - **航空運送状 (Air Waybill, AWB):** AWBも有価証券ではなく、記名式の譲渡不能な運送書類です。 ### ネゴシエーションとの関係 「ノンネゴ」は「Non-Negotiable」の略であり、これは銀行実務における「Negotiation（ネゴシエーション、買取）」ができない、という意味合いにもつながります。信用状（L/C）取引において、銀行が輸出者の振り出した為替手形と船積書類を買い取る（ネゴする）際には、通常、銀行が担保として貨物の権利を確保できる「指図式（Order B/L）」という譲渡可能な（Negotiable）船荷証券が要求されます。ノンネゴ書類（記名式B/LやSea Waybill）では、銀行は貨物の権利を直接確保できないため、通常、買取（ネゴ）の対象とはなりません（ただし、L/C条件で認められていれば可能です）。 ### まとめ ノンネゴとは、書類上の権利が裏書譲渡によって移転できない性質、またはそのような書類自体を指します。