Non-operating Income

概要

営業外収益（Non-operating Income）は、企業の本業以外の活動から生み出される収益の総称です。企業の財務活動や投資活動による収益項目であり、営業利益に加算されることで経常利益を算出する重要な要素となります。営業外収益は企業の財務戦略や投資戦略の成果を反映し、企業の総合的な収益力を評価する上で重要な指標です。

主な特徴

• 本業との非関連性: 企業の主要事業活動とは直接関係しない収益で、財務活動や投資活動から生じます。
• 変動性と予測困難性: 市場環境や投資判断により大きく変動し、事前に予測することが困難です。
• 財務戦略との連動: 企業の財務戦略や投資戦略の成果が収益として現れます。
• 管理可能性: 財務戦略の見直しや投資判断の改善により、一定程度制御可能です。
• 収益の多様化: 本業以外からの収益源を確保し、企業の収益基盤を多様化します。

実務での活用

商品取引企業では、保有資産の運用や金融取引から生じる収益が営業外収益の中心となります。大手商社では、投資有価証券の運用による受取利息や受取配当金、為替取引による為替差益、不動産投資からの賃料収入などが営業外収益として計上されています。製造業では、遊休資産の賃貸による収入や、関連会社への投資による配当金収入などが営業外収益となります。

メリット- 効果

営業外収益の適切な管理により、企業の収益源を多様化し、本業の収益変動リスクを軽減できます。また、効率的な資金運用により、企業の総合的な収益性を向上させることができます。さらに、営業外収益の分析により、財務戦略や投資戦略の効果を評価し、戦略の見直しや改善が可能になります。

注意点- リスク

営業外収益は市場環境の変化により大きく変動する可能性があり、安定的な収益源とはなりません。また、投資活動に伴うリスクがあり、投資判断の誤りにより損失が発生する可能性があります。さらに、営業外収益に過度に依存すると、本業の収益力向上への取り組みがおろそかになるリスクがあります。

関連用語との違い

営業外収益は本業以外の活動からの収益を指し、営業収益（本業からの収益）とは明確に区別されます。営業外収益は営業利益に加算されることで経常利益を算出し、特別利益（通常の事業活動以外からの収益）とは異なる概念です。営業外収益は企業の財務活動や投資活動の成果を反映し、企業の財務健全性を評価する上で重要な指標となります。

実務ポイント- 事例

商品取引企業では、営業外収益の構成を金融収益、投資収益、その他の収益に分類し、それぞれの収益性とリスクを分析しています。また、営業外収益の予測に基づく財務計画の策定や、営業外収益率による収益性の評価を行っています。大手商社では、グローバルな事業展開により、為替取引や国際金融取引から生じる営業外収益を積極的に活用し、総合的な収益性の向上を図っています。