Biodiesel

### 概要 バイオディーゼル（Biodiesel）は、生物由来の資源（バイオマス）を原料として製造される、ディーゼルエンジンで使用可能な液体燃料です。主に、植物油、動物性脂肪、または使用済み食用油（廃食油）をメタノール等と反応させ、脂肪酸メチルエステル（FAME）等として製造されます。 ### 特徴 - **再生可能エネルギー:** 原料が生物由来のため再生可能です。燃焼時のCO2は原料の成長過程で吸収されたものと相殺されると見なされ、カーボンニュートラルに貢献するとされます（ただし製造等での排出は別途考慮）。 - **軽油との混合・代替:** 軽油に混合（例: B5=5%混合）または100%（B100）で、既存のディーゼルエンジンで使用可能です。 - **環境特性:** 軽油と比較して、硫黄分をほとんど含まず、粒子状物質（PM）や一部有害排出ガスが少ない傾向があります。 ### 利用と課題 - **輸送用燃料:** トラック、バス、船舶などのディーゼル燃料として利用が進められています。 - **食料との競合:** 食用油等を大量に燃料に使うことは、食料価格への影響や森林破壊などの問題（Food vs. Fuel 問題）が指摘されています。 - **持続可能性:** 廃食油や非食用植物、藻類などを原料とする次世代バイオディーゼルの開発・実用化が進められています。 バイオディーゼルは、運輸部門の脱炭素化やエネルギー源多様化の選択肢として、持続可能性を確保しつつ利用拡大が期待されています。