Carbon Neutral

### 概要 カーボンニュートラル（Carbon Neutral）とは、人間の経済活動や生活によって排出される二酸化炭素（CO2）をはじめとする温室効果ガス（GHG）の「排出量」と、植林、森林管理、あるいは二酸化炭素回収・貯留（CCS）技術などによる「吸収・除去量」を均衡させ、合計量を**実質的にゼロ（Net Zero）**にすることを目指す概念です。「炭素中立」とも訳されます。 ### 目標達成への道筋 カーボンニュートラルの達成には、以下の取り組みを組み合わせることが想定されています。 1. **排出量の徹底的な削減（最優先）:** 省エネ、再エネ導入、電化推進、脱炭素燃料への転換、産業プロセスの改善など。 2. **残存排出量の吸収・除去:** 森林などによる自然吸収量の維持・向上、ネガティブエミッション技術（DACCS, BECCSなど）によるCO2除去。 ### 国際的な目標と取り組み パリ協定では「今世紀後半に人為的なGHG排出量と吸収源による除去量との間のバランスを達成する」ことが掲げられています。これを受け、日本を含む多くの国や地域、企業が「2050年カーボンニュートラル」などの目標を宣言し、取り組みを進めています。 ### 注意点 「実質ゼロ」を目指す過程で、安易なオフセットへの依存や、算定・報告の透明性確保などが課題として指摘されることもあります。削減努力を最大限行った上での残存排出量をどう扱うかが議論となります。