Downtrend

### 概要 下落トレンド（Downtrend、ダウントレンド）とは、株式、為替、コモディティなどの市場価格が、短期的な上下動（戻り）を繰り返しながらも、一定の期間（中期または長期）にわたって継続的に下落していく全体的な方向性、またはその状態にある相場を指します。「下降トレンド」や「下げ相場」、「ベアトレンド」とも呼ばれます。上昇トレンド（Uptrend、アップトレンド）の対義語です。 ### テクニカル分析における定義（ダウ理論など） テクニカル分析の基礎であるダウ理論では、一般的に、価格が高値と安値の両方を連続して切り下げている状態を下落トレンドと定義します。つまり、前回の高値よりも低い水準で次の高値が形成され、かつ前回の安値よりも低い水準で次の安値が形成されるパターンが続く状態です。 ### 特徴 - **高値・安値の切り下げ:** 上記の通り、連続する高値と安値が共に前の水準を下回っていきます。 - **移動平均線の向き:** 中長期の移動平均線が右肩下がりになります。 - **抵抗線の形成:** 切り下がる高値同士を結んだ下降トレンドラインが、上値抵抗線として機能することがあります。 - **市場心理:** 投資家心理は悲観的（ベアリッシュ）になりやすく、戻り売りの圧力が高まる傾向があります。 ### 取引戦略 - **売り（ショート）戦略:** 下落トレンドが続くと予想し、売りポジションを取ることで利益を狙います。 - **買い手控え:** 新規の買いポジションを取ることは避け、価格が底を打ち、トレンドが転換するのを待つのが一般的です。 - **戻り売り:** 下落トレンド中の一時的な価格の戻り（上昇）を、絶好の売り場と捉える戦略。 ### トレンドの終了 下落トレンドは、価格が下降トレンドラインを上抜けたり、安値を切り上げる（または高値を切り上げる）動きが見られたりすると、終了または転換の可能性が示唆されます。 下落トレンドを認識することは、損失を回避し、適切な取引戦略を選択する上で重要です。ただし、トレンドの判断には主観が伴う場合もあり、他の指標と合わせて分析することが推奨されます。