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コモディティ取引用語辞典トレタム

コモディティ取引に関する専門用語を学べる総合用語集

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    Metal Commodity

    金属商品

    コモディティの定義と概念

    金属系商品の総称で、貴金属(金、銀)とベースメタル(銅、アルミ)に大別されます。工業原料としての需要と、投資資産としての需要の両面を持ち、経済成長と密接に連動する特徴があります。

    金属商品(Metal Commodity)は、地球の地殻から採掘される鉱物資源を原料とする商品群で、貴金属とベースメタル(工業用金属)に大別されます。文明の発展と共に利用が拡大し、現代では工業生産から投資資産まで幅広い役割を担っています。

    金属利用の歴史と市場の発展

    人類の金属利用は、銅器時代(紀元前4000年頃)、青銅器時代(紀元前3000年頃)、鉄器時代(紀元前1200年頃)と段階的に発展しました。産業革命以降、鉄鋼が大量生産され、20世紀にはアルミニウムやレアメタルなど新たな金属の利用が広がりました。

    組織的な金属取引は、1877年のロンドン金属取引所(LME)設立により本格化しました。当初は銅と錫の取引から始まり、現在では非鉄金属取引の世界的中心となっています。リング取引という独特の立会場取引を維持しつつ、電子取引も並行して行われています。

    貴金属の特徴と市場

    金(Gold)
    「永遠の価値」を持つ金は、化学的に安定で腐食せず、展延性に優れた金属です。地球上にこれまで採掘された金の総量は約20万トン(オリンピックプール3.5杯分)で、年間生産量は約3,300トンです。

    用途は宝飾品(約50%)、投資(金貨・金地金、約30%)、中央銀行の外貨準備(約15%)、工業用(電子部品等、約5%)に分類されます。価格は米ドルと逆相関の関係にあり、金利上昇局面では保有コスト(機会費用)の観点から下落圧力を受けます。「有事の金」として、地政学リスクや金融不安時には安全資産として買われる傾向があります。

    銀(Silver)
    「産業の金属」とも呼ばれる銀は、全金属中最高の電気伝導性と熱伝導性を持ちます。年間生産量は約2.5万トンで、メキシコ、ペルー、中国が主要生産国です。

    需要の約55%が工業用(電子部品、太陽光パネル、抗菌材)、30%が宝飾品・銀器、15%が投資用です。金との価格比(金銀比価)は歴史的に15〜80の範囲で変動し、投資判断の指標となっています。工業需要の比率が高いため、景気動向の影響を受けやすい特徴があります。

    プラチナ・パラジウム
    白金族金属(PGM)の代表で、主に南アフリカとロシアで生産されます。需要の約40%が自動車の排ガス浄化触媒で、ディーゼル車にはプラチナ、ガソリン車にはパラジウムが使用されます。供給の地理的集中度が高く、南アフリカの鉱山ストライキやロシアの輸出政策が価格に大きく影響します。

    ベースメタルの特徴と市場

    銅(Copper)
    「ドクター・カッパー」の異名を持つ銅は、経済活動と高い相関を示すため景気の体温計とされています。優れた電気伝導性から、電線(需要の約30%)、建設(配管・屋根材、約30%)、機械(モーター、約15%)などに使用されます。

    チリが世界生産の約28%を占め、中国が消費の約50%を占める構造です。電気自動車は従来車の4倍の銅を使用するため、EV普及により需要拡大が見込まれています。LMEでの現物と3ヶ月物のスプレッドは、需給逼迫度を示す重要指標となっています。

    アルミニウム(Aluminum)
    「軽金属の王様」アルミニウムは、軽量性と耐食性から輸送機器(自動車・航空機)、包装材、建材に使用されます。ボーキサイトから電解精錬により生産され、電力コストが製造原価の約30%を占めるため「電力の缶詰」と呼ばれます。

    中国が世界生産の約57%を占め、環境規制による生産制限が価格変動要因となっています。リサイクル率が高く(約75%)、循環型社会に適合した金属です。

    亜鉛(Zinc)
    鉄鋼の防錆メッキ(溶融亜鉛メッキ)が需要の約50%を占め、建設・インフラ投資と連動します。中国、ペルー、オーストラリアが主要生産国で、LME在庫水準が価格の先行指標となります。

    ニッケル(Nickel)
    ステンレス鋼の原料(需要の約70%)として使用され、近年は電池材料(EV用リチウムイオン電池の正極材)としての需要が急増しています。インドネシアが鉱石輸出を禁止し、国内精錬を義務化したことで供給構造が変化しています。

    価格形成メカニズム

    需給ファンダメンタルズ
    鉱山の新規開発には5〜10年を要し、短期的な供給調整が困難です。一方、需要は経済成長率、特に中国の固定資産投資と高い相関を示します。LME在庫、上海先物取引所在庫、生産者在庫の合計が可視在庫として注目されます。

    コスト構造
    採掘コスト、精錬コスト、輸送コストに加え、環境対策コストが増加しています。限界生産コスト(最も高コストな鉱山の生産コスト)が価格の下限となる傾向があります。

    金融要因
    米ドル建て取引が主流のため、ドル高は価格下落要因となります。また、低金利環境では、在庫ファイナンスコストが低下し、投機的な在庫積み上げが起こりやすくなります。

    現代の課題と将来展望

    資源ナショナリズム
    資源国による輸出規制、国有化、増税などが供給不安を引き起こしています。重要鉱物(リチウム、コバルト、レアアース等)の確保は、国家安全保障の観点からも重要性を増しています。

    環境・社会・ガバナンス(ESG)
    鉱山開発による環境破壊、児童労働、紛争鉱物などの問題から、責任ある調達が求められています。ロンドン金属取引所は、責任ある調達基準を満たさない金属の上場廃止を決定しています。

    技術革新による需要変化
    電気自動車、再生可能エネルギー、5G通信などの新技術により、銅、リチウム、コバルト、レアアースなどの需要が急増しています。一方、都市鉱山(電子廃棄物からの金属回収)の技術進歩により、リサイクル率の向上が期待されています。

    金属商品は、工業文明の基盤材料として、また投資資産として、今後も重要性を維持し続けるでしょう。

    関連用語
    Energy Commodity

    エネルギー商品

    エネルギー源として利用される商品群です。原油、天然ガス、石炭、電力を含み、世界経済の動力源として不可欠です。地政学リスクと環境規制が価格形成に大きく影響し、エネルギー転換により市場構造が変化しています。

    Perishability

    劣化性

    コモディティが時間経過により品質劣化する性質です。特に農産物や畜産物で顕著であり、保管・輸送方法、在庫管理、価格の季節性に大きく影響する重要な特性です。

    Standardization

    標準化

    コモディティを効率的に取引するため、品質・数量・規格を統一する過程です。これにより商品の代替可能性が確保され、大規模な市場取引と価格発見機能が実現します。

    Agricultural Commodity

    農産物商品

    農業により生産される商品群の総称です。穀物(小麦、トウモロコシ)、油糧種子(大豆)、ソフト農産物(砂糖、コーヒー)を含み、食料安全保障と密接に関連します。天候や作付面積が価格に大きく影響する特徴があります。

    Tradability/Liquidity

    流通性

    商品が市場で容易に売買できる性質を示します。取引量の多さ、市場参加者の多様性、価格透明性により決定され、効率的な価格形成と低い取引コストを実現する市場の重要な特性です。

    Soft Commodity

    ソフトコモディティ

    農業により栽培・飼育される再生可能な商品群です。穀物、砂糖、コーヒー、綿花、畜産物を含み、生産に季節性があることが特徴です。天候リスクが価格変動の主要因となります。

    Storability

    保存性

    コモディティが品質を保持したまま保管できる性質です。金属は長期保存可能、農産物は劣化しやすいなど、商品により大きく異なり、在庫コストと価格形成に直接影響します。