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VAMI(Value Added Monthly Index)は、月次リターンを複利計算した累積パフォーマンス指標で、1000から開始します。商品取引では運用成果を視覚的に把握でき、異なる戦略や期間のパフォーマンス比較に有効な評価ツールとなっています。
VAMI(Value Added Monthly Index)は、投資パフォーマンスを累積的に表示する指標です。1000ポイントから開始し、月次リターンを複利計算で積み上げていきます。例えば、初月に5%のリターンを上げた場合、VAMIは1050となります。翌月に3%の損失があれば、1050×0.97=1018.5となります。このように、実際の投資成果を視覚的に把握できる仕組みです。商品取引では、CTAファンドやマネージドフューチャーズの運用成果を評価する標準的な指標として活用されています。
VAMIには以下の重要な特徴があります。複利効果の反映により、再投資を前提とした実際の資産成長を表現できます。絶対リターンの可視化を通じて、運用開始からの累積成果が一目で分かります。比較可能性も優れており、異なる戦略や運用者のパフォーマンスを同一基準で評価できます。ドローダウンの明確化により、ピークからの下落幅も視覚的に把握可能です。月次更新が基本ですが、日次VAMIを作成することもあります。
商品取引業界では、VAMIが広く活用されています。CTAファンドでは、投資家向けレポートでVAMIチャートを標準的に提示します。複数の商品戦略(エネルギー、金属、農産物)の成果を統合して表示する際にも有効です。ヘッジファンドデータベースでは、VAMIを用いてトラックレコードを管理します。投資家は、VAMIの推移から運用者のスキルや戦略の安定性を評価できます。
VAMIの計算は単純ですが、正確性が重要です。初期値1000に対し、各月のリターン(1+月次収益率)を順次掛けていきます。手数料控除後のネットリターンを使用することが一般的です。例えば、3か月間のリターンが+5%、-2%、+3%の場合、VAMIは1000→1050→1029→1059.87と推移します。年率換算リターンは、(最終VAMI/初期VAMI)^(12/月数)-1で計算できます。
VAMIはリスク評価にも活用されます。最大ドローダウンは、VAMIのピークからトラフまでの下落率で測定します。回復期間は、前回のピークを回復するまでの月数で評価します。ボラティリティは、VAMIの変化率の標準偏差から算出できます。シャープレシオ等のリスク調整後リターン指標の計算にも、VAMIデータが使用されます。
VAMIは他のパフォーマンス指標と併用されます。NAV(純資産価値)は絶対額を示すのに対し、VAMIは相対的な成長を表現します。累積リターングラフと似ていますが、VAMIは標準化された起点を持つ点が異なります。ベンチマーク比較では、市場指数のVAMIと並べて相対パフォーマンスを評価します。
VAMI作成時には、データの正確性確保が最重要です。配当や分配金の扱いを明確にし、総合収益ベースで計算することが推奨されます。欠損データがある場合の補間方法も事前に定めておく必要があります。また、通貨換算を伴う場合は、為替レートの適用タイミングを統一します。監査済みリターンを使用し、バックテストと実績を明確に区別することも重要です。