Allocated Volume

### 概要 割当数量（Allocated Volume）とは、特に機関投資家などが複数のポートフォリオや顧客の注文をまとめて一つの大きな注文として執行（ブロック取引やアグリゲーション）した場合に、その執行によって約定した総数量を、個々の元の注文主（口座、ファンドなど）にどのように配分するか、その**個別に割り当てられた数量**を指します。 ### 配分のプロセス 大口注文は、一度に全量が約定するとは限らず、また最良執行の観点から複数の価格で約定することがあります。そのため、約定後に以下のプロセスが必要となります。 1. **約定結果の集計:** 執行された全約定（価格、数量、時刻など）を集計します。 2. **配分ルールの適用:** 事前に定められた公平な配分ルール（例: 平均約定価格を適用、注文サイズに応じた比例配分、ランダム配分など）に従って、約定した総数量と平均価格（または各約定価格）を、元の個々の注文に割り当てます。 3. **割当数量の確定:** 各口座・ファンドに配分される具体的な数量（割当数量）と価格が確定します。 ### 目的と重要性 - **公平性の確保:** 複数の顧客やファンド間で、有利な約定価格や約定機会を公平に配分するために、透明性のある配分ルールが求められます。 - **コンプライアンス:** 規制当局は、資産運用会社やブローカーに対して、顧客間の公平な注文配分（アロケーション）を行うための体制整備と記録保存を求めています。 - **運用管理:** ファンドマネージャーや運用担当者は、各ファンドのポジションを正確に管理するために、割り当てられた数量を把握する必要があります。 割当（アロケーション）プロセスは、特に大口注文を扱う機関投資家の取引執行において、公平性と正確性を担保するための事務手続きです。