Asset Classes

### 概要 資産クラス（Asset Classes）とは、投資の世界において、同様のリスク・リターン特性や値動きの傾向を持ち、同じような規制や市場環境の影響を受けると考えられる資産のグループ（分類）のことです。ポートフォリオ理論やアセットアロケーション（資産配分）戦略の基礎となる概念です。 ### 主な資産クラス 伝統的に、以下のような資産クラスが認識されています。 - **株式 (Equities / Stocks):** 企業の所有権の一部。価格変動リスクは比較的高いですが、長期的な成長による高いリターンが期待されます。 - **債券 (Bonds / Fixed Income):** 国や企業などが発行する借用証書。一般的に株式よりリスクは低いとされ、定期的な利息収入（インカムゲイン）が期待されます。 - **現金および現金同等物 (Cash and Cash Equivalents):** 現金、預金、短期国債など。安全性・流動性は高いですが、リターンは低い傾向があります。 - **不動産 (Real Estate):** 土地や建物など。インフレヘッジ効果が期待される一方、流動性が低いなどの特徴があります。 - **コモディティ (Commodities):** 原油、金、穀物などの商品。他の金融資産とは異なる値動きをすることがあり、インフレヘッジや分散投資の対象となります。 近年では、これらに加えてプライベートエクイティ、ヘッジファンド、インフラ投資、暗号資産などを「オルタナティブ投資」として別の資産クラスと見なすことも増えています。 ### 分散投資における役割 異なる資産クラスは、経済状況や市場環境の変化に対して異なる反応を示す（相関関係が低い）傾向があります。そのため、単一の資産クラスに集中投資するのではなく、複数の資産クラスに資金を分散させる（アセットアロケーション）ことで、ポートフォリオ全体のリスクを低減し、より安定的なリターンを目指すことが可能になります。どの資産クラスにどの程度配分するかが、ポートフォリオのパフォーマンスを決定する上で重要な要素となります。