Averaging Down

### 概要 ナンピン買い（Averaging Down）とは、株式やその他の資産を保有している投資家が、その資産の価格が購入時よりも下落した場合に、さらに同じ資産を買い増す投資手法です。これにより、保有する資産全体の平均取得単価を引き下げることができます。「難平買い」と書くこともあります。 ### 目的と効果 - **平均取得単価の引き下げ:** 買い増しによって、1単位あたりの平均購入コストが下がります。 - **損益分岐点の引き下げ:** 平均取得単価が下がるため、価格が当初の購入価格まで戻らなくても、より低い水準で損益分岐点に到達しやすくなります。 - **価格反発時の利益増大:** もし価格が反発した場合、保有数量が増えているため、利益額も大きくなる可能性があります。 ### リスクと注意点 - **損失拡大リスク:** 最大の欠点は、もし価格が反発せずにさらに下落し続けた場合、保有数量が増えている分だけ損失額も急速に拡大してしまうことです。 - **資金拘束:** 追加購入により、投資資金がその資産にさらに固定され、他の投資機会を逃す可能性があります。 - **心理的負担:** 価格が下落し続ける中で買い増しを行うことは、精神的な負担が大きい場合があります。 - **根拠のない実行:** 十分な分析なく、単に価格が下がったからという理由だけで行うのは危険とされます。 ### 利用場面 長期的な視点でその資産の価値回復を確信している場合や、短期的な下落を一時的と判断した場合などに、計画的に実行されることがあります。しかし、一般的にはリスクの高い手法と認識されており、明確な損切りルールと組み合わせるなどの慎重な判断が必要です。