Bid-offer spread

### 概要 ビッド・オファー・スプレッド（Bid-Offer Spread または Bid-Ask Spread）とは、金融市場や商品市場において、特定の資産に対する現在の最も高い買い注文価格（ベスト・ビッド）と、最も低い売り注文価格（ベスト・オファーまたはベスト・アスク）との間の価格差を指します。「売買気配値幅」や単に「スプレッド」とも呼ばれます。 ### 計算式 スプレッド = アスク価格 (売値) - ビッド価格 (買値) （アスク価格は常にビッド価格以上であるため、スプレッドは通常ゼロ以上です） ### 意味合い - **取引コスト:** 投資家が市場で即座に売買（市場価格で買ってすぐに売る、またはその逆）を行う場合、このスプレッド分のコストが実質的に発生します。 - **市場流動性の指標:** スプレッドが狭い（小さい）ほど、その市場の流動性が高く、取引が活発で効率的であることを示唆します。逆にスプレッドが広い（大きい）ほど、流動性が低いことを示唆します。 - **マーケットメイカーの収益源:** ビッドとアスクの両方を提示するマーケットメイカー（値付け業者）にとっては、このスプレッドが収益の源泉の一つとなります。 ### 変動要因 スプレッドの幅は、以下のような要因で変動します。 - **市場の流動性:** 取引量が多いほど狭くなる傾向があります。 - **ボラティリティ:** 市場の変動性が高まると、リスクを反映して広がる傾向があります。 - **取引時間:** 取引が活発な時間帯は狭く、早朝や深夜など閑散な時間帯は広がる傾向があります。 - **資産の種類:** 流動性の高い主要通貨ペアや大型株はスプレッドが狭く、マイナー通貨や小型株、非流動的な商品は広くなる傾向があります。 スプレッドは、取引の実行コストや市場環境を評価する上で基本的な指標です。