CO2 (Carbon Dioxide)

### 概要 二酸化炭素（Carbon Dioxide、化学式 CO₂）は、炭素原子一つと酸素原子二つが結合した分子からなる、常温常圧では無色無臭の気体です。地球の大気中に自然に存在する成分であり、植物の光合成に不可欠である一方、地球の気温を適度に保つ温室効果ガスの一つでもあります。 ### 地球温暖化との関係 産業革命以降、人間活動、特に石炭・石油・天然ガスといった**化石燃料の大量燃焼**や、森林破壊などによって、大気中の二酸化炭素濃度が急激に上昇しています。二酸化炭素は温室効果ガスの中でも排出量が最も多く、地球温暖化に対する寄与度が最も大きいと考えられており、気候変動の主要な原因物質とされています。 ### 排出源 人為的な二酸化炭素の主な排出源は以下の通りです。 - **エネルギー転換:** 発電所などでの化石燃料の燃焼。 - **産業プロセス:** セメント製造、鉄鋼生産などの工業プロセス。 - **運輸:** 自動車、航空機、船舶などの燃料燃焼。 - **土地利用変化:** 森林伐採や土地開発。 ### 削減目標と対策 パリ協定などの国際的な枠組みでは、地球温暖化を抑制するために、二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量を大幅に削減することが目標とされています。具体的な対策として、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入拡大、電気自動車（EV）へのシフト、炭素回収・利用・貯留（CCUS）技術の開発などが進められています。 「カーボンニュートラル」や「カーボンプライシング」といった概念は、この二酸化炭素排出量をいかに削減・管理するかという課題の中心にあります。