Continuation Vote

### 概要 継続決議（Continuation Vote）とは、主に英国などで見られる特定のタイプの投資会社（特にクローズドエンド型ファンドであるインベストメント・トラスト）の定款（会社規則）において、定期的に（例えば3年ごと、5年ごとなど）、株主に対してその投資会社の存続（事業継続、運用の継続）を承認するか否かを問うために開催される株主投票（決議）のことです。 ### 目的と背景 インベストメント・トラストのようなクローズドエンド型ファンドは、市場価格がその純資産価値（NAV）に対して恒常的にディスカウント（割安）で取引される傾向があります。継続決議は、このようなディスカウント状態が続く場合に、株主に対して、運用継続以外の選択肢（例: 会社の清算、オープンエンド型ファンドへの転換、他の会社との合併など、ディスカウント解消策の要求）を検討する機会を与えるための仕組みとして導入されました。 ### プロセス 定款で定められた時期が来ると、取締役会は継続決議を株主総会の議案として提出します。株主は、これまでの運用実績、市場価格とNAVの乖離、今後の見通しなどを考慮して、会社の存続に賛成するか反対するかを投票します。 - **承認された場合:** 会社は存続し、運用が継続されます。 - **否決された場合:** 取締役会は、通常、会社の清算や組織再編など、株主価値向上のための具体的な提案を行う義務を負います。 ### 意義 継続決議は、クローズドエンド型ファンドにおける株主（投資家）保護と、運用会社に対するガバナンス（規律付け）メカニズムとして機能します。運用パフォーマンスやディスカウント率に対する株主の不満を表明し、具体的な行動を促す手段となりえます。