Coupon

### 概要 クーポン（Coupon）とは、主に債券（特に利付債）に関して使われる言葉で、以下の二つの意味合いを持ちます。 1. **利息（金銭）:** 債券の発行体が、その債券の保有者に対して、保有期間中に定期的（例: 年1回、年2回）に支払う利息のこと。 2. **表面利率 (Coupon Rate):** 上記の定期的に支払われる利息の、債券の額面金額に対する年間の割合（%）のこと。通常、債券発行時に定められ、満期まで変動しません（固定利付債の場合）。「表面利率」や「名目利回り（Nominal Yield）」とほぼ同義です。 ### 由来 この言葉は、かつて債券が紙の証券として発行されていた時代に、その券面に利息を受け取るための「利札（りふだ）」が付いており、保有者は支払期日ごとにこの利札を切り取って金融機関に持ち込み、利息を受け取っていたことに由来します。この利札を英語でクーポンと呼んだため、現在でも債券の利息や表面利率を指す言葉として使われています。 ### 債券投資における意味 - **インカムゲイン:** クーポン（利息）は、債券投資における主要な収益源（インカムゲイン）の一つです。 - **利回り計算の要素:** 債券の最終利回り（YTM）などの投資利回りは、このクーポン収入と、購入価格と償還価格の差額（償還差損益）を考慮して計算されます。 - **価格変動への影響:** クーポンレートが高い債券は、一般的に市場金利変動に対する価格感応度（デュレーション）が（同条件の低クーポン債に比べて）やや低くなる傾向があります。 ### ゼロクーポン債 割引債（Zero-Coupon Bond）のように、満期まで利息（クーポン）の支払いがない代わりに額面より低い価格で発行される債券もあります。 クーポン（表面利率）は、債券の基本的な特性を定義する要素の一つです。