Currency-based Pricing

### 概要 建値通貨（たてねつうか、Currency-based Pricing / Pricing Currency / Currency of Invoice）とは、国際間の商取引（輸出入）や金融取引、あるいは国内取引であっても、契約における価格を表示し、原則としてその通貨で最終的な支払い（決済）が行われると定められた通貨のことを指します。「通貨建値」や「価格表示通貨」、「決済通貨」とほぼ同義で使われます。 ### 主な例 - **米ドル建て (USD-denominated):** 取引価格が米ドルで表示され、支払いが米ドルで行われる。原油、多くのコモディティなどで広く用いられます。 - **円建て (JPY-denominated):** 取引価格が日本円で表示され、支払いが日本円で行われる。 - **ユーロ建て (EUR-denominated):** 取引価格がユーロで表示され、支払いがユーロで行われる。 ### 決定要因と為替リスク どの通貨を建値通貨とするかは、当事者間の交渉力、取引される商品や市場の慣行、当事者の所在国などによって決まります。 建値通貨の選択は、為替変動リスクをどちらの当事者が主に負うかに直接的な影響を与えます。 - **自国通貨建て:** 輸出企業は為替リスクを回避できます。 - **相手国通貨建て:** 輸入企業は為替リスクを回避できます。 - **第三国通貨建て（例: 米ドル建て）:** 双方に為替リスクが生じます。 為替リスク回避には、為替予約などのヘッジ手段が利用されます。 ### 価格設定との関係 建値通貨の選択は、価格設定戦略の一部でもあります。どの通貨で価格表示・決済するかによって、価格の安定性や競争力、収益性が影響を受ける可能性があります。 建値通貨は、国際取引における契約条件の基本的な要素の一つです。