Default

### 概要 デフォルト（Default）とは、金融取引や契約関係において、債務者（お金を借りている側、または義務を負う側）が、契約で定められた利息の支払いや元本の返済、あるいはその他の義務を、期限までに履行しない、または履行できない状態を指します。「債務不履行」が主な訳語ですが、より広く「契約不履行」やコンピュータ用語としての「初期設定値」といった意味でも使われます。 ### 金融における主な意味（債務不履行） 特に金融の文脈では、以下のような債務の支払いが滞る状態を指すことが多いです。 - 利払い不履行: 債券やローンの利息が期日までに支払われない。 - 元本返済不履行: 債券やローンの元本が満期日や返済期日に返済されない。 - その他の契約条件違反: 融資契約におけるコベナンツ（財務制限条項）違反なども、契約によってはデフォルトと見なされる（テクニカル・デフォルト）ことがあります。 ### 発生主体 デフォルトは、個人、企業、地方公共団体、さらには国家（ソブリン・デフォルト）によって引き起こされる可能性があります。 ### 結果と影響 - 債権者: 貸したお金が回収できなくなり、損失を被ります。 - 債務者: 信用力が著しく低下し、将来の資金調達が困難になります。法的整理（破産など）に至る場合もあります。 - 市場全体: 大企業や国家のデフォルトは、金融市場全体に不安を引き起こし、システミックリスクに繋がる可能性があります。CDSなどのトリガーともなります。 ### 格付けとの関係 信用格付け機関は、発行体のデフォルトの可能性（信用リスク）を評価し、格付けとして示します。デフォルト状態は通常「D」などの格付けで表されます。 デフォルトは、信用リスクが顕在化した最も深刻な事象の一つです。