EPA (Economic Partnership Agreement)

### 概要 経済連携協定（Economic Partnership Agreement, EPA）とは、特定の二国間または複数国間において、自由貿易協定（FTA）が主眼とする関税撤廃・削減などの物品貿易自由化だけでなく、サービス貿易自由化、投資ルール整備、知的財産権保護、ビジネス環境整備、人の移動円滑化、さらには特定の分野での協力など、より広範な分野にわたる経済的な連携強化を目的として締結される包括的な協定のことです。 ### FTAとの関係 EPAはFTAの要素を含みつつ、それを超える幅広い連携を目指すものです。ただし、近年ではFTAも対象範囲を広げる傾向にあり、両者の区別は必ずしも明確ではなく、国や協定によって呼称が異なる場合があります。日本では、WTO協定を超える約束を含むものをEPAと呼ぶのが一般的です。 ### 日本が締結しているEPA（例） シンガポール、メキシコ、チリ、タイ、インドネシア、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル、EU、英国、ASEAN全体（AJCEP）、TPP11（CPTPP）、RCEPなど多数。 ### 効果と利用 - 貿易・投資の促進。 - サプライチェーンの強化。 - 経済関係の深化。 - 企業のメリット: 協定税率適用による関税削減（要原産地証明）。 EPA/FTAは、WTO体制を補完し、二国間・地域間の経済連携を深化させるための枠組みとなっています。