FCL (Full Container Load)

### 概要 FCL（Full Container Load）とは、海上コンテナ輸送における貨物の輸送単位を示す用語です。一つの輸送コンテナを、**単一の荷送人（Shipper）が借り切り、その荷送人の貨物だけでコンテナが満たされている（またはコンテナ単位で輸送される）状態**の貨物を指します。「コンテナ単位貨物」や「フルコンテナ貨物」とも訳されます。 ### LCL貨物との違い コンテナ1本に満たない小口貨物を、他の荷主の貨物と混載して輸送する「LCL貨物（Less than Container Load）」と対比されます。 - FCL: 1荷主 → 1コンテナ（以上） - LCL: 複数荷主 → 1コンテナ ### 特徴とプロセス - **荷主によるバンニング:** 通常、輸出者の工場等で輸出者がコンテナに貨物を積み込み、封印します。 - **CY To CY:** コンテナは港のCY（コンテナヤード）に搬入・船積みされ、仕向地CYで荷揚げ後、コンテナのまま輸入者の指定場所まで運ばれ、そこでデバンニング（貨物取出し）されます。 - **輸送効率:** コンテナ開封・仕分けがないため、ダメージリスクが低く、リードタイムも短縮される傾向があります。 - **コスト:** 一定量以上の貨物の場合、コンテナ1本あたりの輸送コストはLCLより割安になるのが一般的です。 FCL輸送は、ある程度の貨物量を持つ荷主にとって、効率的で安全性の高い輸送方法です。