Freight Conference

### 概要 海運同盟（Freight Conference または Shipping Conference）とは、特定の定期航路に定期船（主にコンテナ船）を就航させている複数の船会社が、相互間の過当競争を避け、運賃水準の維持・安定、配船調整、サービス条件統一などを目的として結成する、国際的なカルテル（企業連合）のことです。「運賃同盟」とも呼ばれます。 ### 目的と機能 - **運賃協定:** 共通運賃率表（タリフ）を設定し、運賃安定化（下落防止）を図ります。 - **配船調整:** 配船数やスケジュールを調整し、過剰供給を抑制します。 - **サービス条件統一:** 運送約款や各種料金条件を統一します。 - **盟外船との競争:** 同盟非加盟船会社に対抗します。 ### 法的地位（独禁法適用除外） 海運同盟は共同行為（カルテル）ですが、海運業の特殊性や安定輸送維持を理由に、多くの国で独占禁止法の適用が除外されてきました。 ### 近年の動向 貿易自由化の流れや荷主からの批判などを受け、近年、独禁法適用除外を見直す動きが進み、EUでは2008年に廃止されるなど、同盟の活動は大幅に縮小・形骸化しています。 現在では、運賃協定を行わない、より緩やかな「アライアンス（企業連合）」が主流となり、船舶やネットワークの共同利用による効率化を図っています。 海運同盟は、かつて世界の定期船輸送市場を支配した仕組みですが、現在はその役割を終えつつあります。