Iceberg Order
アイスバーグ注文
取引実務
大口の注文を小口に分割し、その一部(見えている部分)のみを市場の注文板(オーダーブック)に表示させ、それが約定すると次の小口注文を自動的に表示させる特殊な注文方法です。注文の全貌を隠します。
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### 概要
アイスバーグ注文(Iceberg Order)とは、株式やデリバティブなどの取引において、大口の売買注文を執行する際に用いられる特殊な注文方法の一つです。「氷山(Iceberg)」のように、注文全体のほんの一部(Tip of the iceberg)だけを市場の注文板(オーダーブック)に表示させ、残りの大部分(水面下の氷山)は隠しておきます。表示されている一部の数量が約定すると、自動的に次の一定量の注文が表示される仕組みになっています。
### 目的
- **マーケットインパクトの抑制:** 大口注文を一度に板に出すと市場価格が不利に動く可能性(マーケットインパクト)があるため、注文の全量を隠すことで、この影響を最小限に抑えようとします。
- **注文意図の秘匿:** 大量の買い(または売り)意欲があることを他の市場参加者に悟られずに、注文を執行することを目指します。
### 仕組み
投資家は、総注文数量と、一度に板に表示させる数量(表示数量)を指定して発注します。取引システムは、まず表示数量分の注文を板に出し、それが約定すると、隠れている残量の中から次の表示数量分の注文を自動的に再発注します。これを総注文数量が約定するか、注文がキャンセルされるまで繰り返します。
### 利用場面
- 機関投資家などが、市場価格への影響を抑えながら大口の株式や先物などを売買する場合。
- アルゴリズム取引において、執行戦略の一部として組み込まれる場合。
### 注意点
- 全ての取引所やブローカーで利用できるわけではありません。
- 適切な表示数量の設定が必要です(小さすぎると時間がかかり、大きすぎると意図が読まれる)。
- 市場状況によっては、全量約定前に価格が大きく変動してしまうリスクもあります。
アイスバーグ注文は、大口注文執行の課題に対処するための高度な注文方法の一つです。
同義語・略語
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関連用語
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参考文献
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