Initial Margin

### 概要 当初証拠金（Initial Margin）とは、先物取引、オプション取引（売り手）、信用取引、外国為替証拠金取引（FX）、CFD取引といった、レバレッジを利用した証拠金取引を開始する際に、顧客が取引業者（証券会社、先物会社、FX業者など）または清算機関に対して、取引から生じる可能性のある将来の損失（取引相手から見た信用リスク）をカバーするために、最初に差し入れる（預託する）必要がある担保金のことです。 ### 目的 当初証拠金は、万が一、顧客が取引で損失を被り、その支払いができなくなった場合に、その損失を補填するための担保として機能します。これにより、取引の相手方や清算機関のリスクを軽減し、市場全体の安定性を維持します。 ### 維持証拠金との関係 取引を開始した後に、相場の変動によってポジションに評価損が発生し、口座内の証拠金残高（有効証拠金）が、定められた最低限維持すべき水準である「維持証拠金（Maintenance Margin）」を下回った場合、顧客は当初証拠金の水準まで（またはそれ以上）追加の証拠金（追証、Variation Margin / Margin Call）を差し入れる必要が生じます。 - **当初証拠金:** 取引を開始するために必要な証拠金。 - **維持証拠金:** 取引を継続するために最低限必要な証拠金残高（通常、当初証拠金より低い水準）。 ### 金額の決定 当初証拠金の額（または証拠金率）は、取引所や清算機関、あるいは取引業者が、対象となる商品の価格変動リスク（ボラティリティ）などを考慮して設定します。通常、リスクが高いと考えられる商品ほど、高い証拠金が必要となります。SPAN証拠金などの計算方法が用いられることもあります。 当初証拠金の制度は、レバレッジ取引に伴うリスクを管理するための基本的な仕組みです。