Model Price

### 概要 モデル価格（Model Price）とは、特定の金融商品（特にオプション、スワップなどのデリバティブ）、あるいは株式、不動産といった資産の理論的な適正価格を、何らかの数理モデル（価格評価モデル、Pricing Model）を用いて計算・推定した値のことです。「理論価格（Theoretical Price）」とほぼ同義で用いられます。 ### 算出方法 モデル価格は、以下のような要素に基づいて算出されます。 - **価格評価モデル:** 対象資産の価格形成メカニズムを数学的に表現した計算式やアルゴリズム（例: オプションのブラック・ショールズモデル、DCF法など）。 - **入力パラメータ:** モデル計算に必要な市場データ（原資産価格、金利、ボラティリティ等）や仮定値（将来成長率など）。 使用するモデルや入力パラメータ、仮定が異なれば、算出されるモデル価格も異なります。 ### 利用場面 - **価格評価:** 市場価格が存在しない非上場証券や相対取引デリバティブなどの価値を評価します。 - **市場価格との比較:** 市場価格がモデル価格と比較して割安か割高かを判断し、投資機会を探ります。 - **リスク管理:** モデルを用いて将来価格をシミュレーションし、リスク量を測定します（例: VaR計算）。 - **ヘッジ比率の計算:** デリバティブのリスク感応度（例: オプションのデルタ）をモデルで計算し、ヘッジ比率を算出します。 ### 注意点（モデルリスク） モデル価格はあくまで理論値であり、現実の市場価格と常に一致するとは限りません。モデルの不完全性や仮定の誤り、入力データの不正確さなどによるリスク（モデルリスク）が存在します。 モデル価格は市場価格の妥当性評価や複雑な商品の価値推定のツールですが、その限界を理解して利用することが大切です。