Net Asset Value (NAV)

### 概要 純資産価値（Net Asset Value, NAV）とは、主に投資信託（ファンド）やヘッジファンド、あるいは企業価値評価などの文脈で用いられる指標です。具体的には、以下の二つの意味で使われます。 1. **ファンドの純資産総額:** ファンドが保有している全ての資産（株式、債券、不動産、現金など）を、評価時点の市場価格（時価）で評価した合計額から、ファンドが負っている負債（借入金、未払費用など）を差し引いた正味の資産価値。 2. **1口あたり純資産（価額）:** 上記(1)の純資産総額を、ファンドの発行済受益権口数（または発行済株式数）で割った値。投資信託の基準価額（日本では通常1万口あたり）は、この1口あたりNAVに基づいて計算されます。 ### 計算と公表 投資信託の場合、通常、毎営業日の取引終了後に、その日の市場価格に基づいて保有資産が評価され、NAVおよび基準価額が計算・公表されます。 ### 利用場面 - **投資信託の基準価額:** 投資家が投資信託を購入・換金する際の基準となる価格です。 - **ファンドのパフォーマンス測定:** NAV（または基準価額）の推移を見ることで、ファンドの運用成績を把握できます。 - **企業価値評価:** 企業の純資産の簿価（Book Value）に対して、時価評価に基づいたNAVが、企業の解散価値に近い指標として参照されることがあります。 - **クローズドエンド型ファンドの評価:** 市場価格がNAVに対して割安（ディスカウント）か割高（プレミアム）かを判断する指標となります。 NAVは、ファンドや企業の資産の実質的な価値を示す基本的な指標です。