One-sided Selling

### 概要 片売り（かたうり）とは、株式、為替、商品、デリバティブなどの市場取引において、将来の価格下落のみを期待して、特定の資産を（通常は保有せずに）**売り持ち（ショートポジション）にするだけの単純な取引戦略**を指す、やや俗語的な表現です。価格上昇リスクに対するヘッジ（例えば、関連する別の資産を買う、コールオプションを買うなど）を組み合わせることなく、売りポジションのみを保有する状態です。特に、信用取引やデリバティブを利用した「空売り」を指すことが多いです。 ### 特徴 - **方向性への依存:** 利益を得るためには、価格が下落する必要があります。価格変動の方向性に対する単純な賭けとなります。 - **リスク:** 予想に反して価格が上昇した場合、ヘッジがないため損失を直接被ります。特に空売りの場合、価格の上昇には理論上上限がないため、損失が無限大になる可能性があります。 - **シンプルさ:** 複雑な組み合わせ戦略とは異なり、単純明快な戦略です。 ### 対比される概念 - **片買い（かたがい）:** 価格上昇のみを期待して、ヘッジなしで買いポジションを持つこと。 - **両建て（りょうだて）:** 買いポジションと売りポジションを同時に持つこと。 - **ヘッジ取引:** 保有するポジションのリスクを相殺するために、反対のポジションを取ること。 「片売り」という言葉は、特にリスク管理の観点から、ヘッジを伴わない単純な売りポジションの大きなリスク（特に空売りの損失無限大リスク）を指摘したり、あるいは単純な投機的取引であることを示唆したりするニュアンスで使われることがあります。