OTC Trading

### 概要 店頭取引（Over-the-Counter Trading, OTC取引）とは、証券取引所や商品取引所といった特定の「取引所」を経由せずに、金融機関の店頭や、当事者同士（またはブローカー経由）が電話や電子ネットワークを通じて直接相対（あいたい）で、取引条件を交渉し、合意に基づいて行う取引形態です。「相対取引」や「場外取引」とも呼ばれます。 ### 特徴 - **非定型・柔軟性:** 取引所取引のように標準化されておらず、当事者のニーズに合わせて契約条件（取引量、決済日など）を柔軟にカスタマイズできます。 - **相対交渉:** 価格や条件は、市場実勢を参考にしつつも、最終的には当事者間の交渉で決定されます。 - **透明性の低さ:** 取引所のように全ての注文や約定情報が公開されるわけではなく、透明性は低い傾向があります。 - **カウンターパーティリスク:** 清算機関が介在しない場合、取引相手が決済不履行となる信用リスクが直接存在します（ISDA契約等でリスク軽減を図ります）。 ### 主な取引対象 - **外国為替（FX）:** 銀行間市場や対顧客取引の多くはOTCです。 - **債券:** 国債の一部を除き、社債などはOTCで取引されます。 - **デリバティブ:** スワップ、フォワード、多くのオプションなど、オーダーメイド性の高いデリバティブはOTCが中心です。 ### 取引所取引との比較 - **OTC:** 柔軟性高い、透明性低い、カウンターパーティリスクあり。 - **取引所:** 標準化、透明性高い、カウンターパーティリスク低い（清算機関経由）。 近年、金融危機後の規制強化により、一部の標準化されたOTCデリバティブについては、取引所での執行や清算機関（CCP）による清算が義務付けられる動きも進んでいます。