P/L (Profit and Loss)

概要

損益計算書（Profit and Loss Statement, P/L または Income Statement）とは、企業のある一定の会計期間（通常は1年間または四半期）における経営成績、すなわち、どれだけの収益（Revenue/Sales）を上げ、その収益を得るためにどれだけの費用（Expenses/Costs）がかかり、最終的にどれだけの利益（Profit/Income）または損失（Loss）が残ったかを示す財務諸表の一つです。貸借対照表（B/S）、キャッシュフロー計算書（C/F）と並ぶ、主要な財務三表の一つです。

構成要素と利益の種類

損益計算書は、収益から段階的に費用を差し引いて、いくつかの段階利益を計算- 表示します。主な構成要素は以下の通りです。

1. 売上高 (Sales / Revenue): 本業による収益。
2. 売上原価 (Cost of Goods Sold, COGS): 売上に対応する直接的な原価（仕入原価、製造原価）。
3. 売上総利益 (Gross Profit): 売上高 - 売上原価。「粗利益（あらり）」。
4. 販売費及び一般管理費 (Selling, General and Administrative Expenses, SG&A): 営業活動に必要な費用（人件費、広告費、家賃など）。
5. 営業利益 (Operating Income / EBIT): 売上総利益 - 販管費。本業から生み出された利益。
6. 営業外収益 (Non-operating Income): 受取利息、受取配当金など、本業以外での経常的な収益。
7. 営業外費用 (Non-operating Expenses): 支払利息など、本業以外での経常的な費用。
8. 経常利益 (Ordinary Income / Pre-tax Ordinary Income): 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用。企業の経常的な収益力を示す。
9. 特別利益 (Extraordinary Gains): 固定資産売却益など、臨時的- 偶発的な利益。
10. 特別損失 (Extraordinary Losses): 固定資産売却損、災害損失など、臨時的- 偶発的な損失。
11. 税引前当期純利益 (Income Before Income Taxes): 経常利益 + 特別利益 - 特別損失。
12. 法人税、住民税及び事業税等: 支払うべき税金。
13. 当期純利益 (Net Income): 税引前当期純利益 - 法人税等。最終的な企業の利益。

分析- 利用

損益計算書を分析することで、企業の収益性（売上高総利益率、営業利益率など）、成長性（増収率、増益率など）、費用構造などを把握することができます。投資家や債権者、経営者などが、企業の経営成績を評価し、意思決定を行うための基礎情報となります。