Pullback

### 概要 プルバック（Pullback）とは、テクニカル分析において、明確な上昇トレンドまたは下降トレンドが進行している中で、価格が一時的にトレンドの方向とは逆の動きを見せる現象を指します。 - **上昇トレンド中のプルバック:** 価格が一時的に下落すること。「押し目（おしめ）」とも呼ばれます。 - **下降トレンド中のプルバック:** 価格が一時的に上昇すること。「戻り」とも呼ばれます。 ### トレンド転換との違い プルバックは、あくまで既存のトレンドが継続する中での一時的な調整局面（利益確定売りや、短期的な反対ポジションの解消などによる動き）と考えられます。トレンドそのものが終了し、逆方向へ転換する動き（Reversal、リバーサル）とは区別されます。 ### 取引戦略への利用（トレンドフォロー） トレンドフォロー戦略（順張り）においては、プルバックは絶好のエントリー（追撃買い・追撃売り）の機会と見なされることがあります。 - **上昇トレンド:** 価格がプルバック（下落）し、サポートラインや移動平均線などの支持線に接近したタイミングで、再度上昇に転じることを見越して買いエントリー（押し目買い）。 - **下降トレンド:** 価格がプルバック（上昇）し、レジスタンスラインや移動平均線などの抵抗線に接近したタイミングで、再度下落に転じることを見越して売りエントリー（戻り売り）。 ### 判断のポイント プルバックが一時的な調整なのか、それともトレンド転換の始まりなのかを見極めることが重要です。以下の点が考慮されます。 - **出来高:** プルバック中の出来高が、トレンド方向への動きの出来高に比べて少ない場合は、一時的な調整である可能性が高いと見なされます。 - **調整の深さ:** フィボナッチ・リトレースメントなどを利用し、調整がどの程度の水準で止まるかを見ます。浅い押し・戻りでトレンドが再開することが多いとされます。 - **他の指標:** オシレーター系指標などが、売られすぎ・買われすぎゾーンに達していないかなども参考にされます。 プルバック（押し目・戻り）を的確に捉えることは、トレンドフォロー戦略の成功率を高める上で有効なスキルです。