RFP (Request For Proposal)

### 概要 提案依頼書（Request For Proposal, RFP）とは、企業や官公庁などが、新しい情報システムの導入、業務プロセスのアウトソーシング、コンサルティングサービスの利用、大規模な設備導入など、比較的複雑で要件定義が重要なプロジェクトを発注する際に、発注候補となる複数のベンダーやサービス提供事業者に対して、プロジェクトの目的、背景、要求する仕様や機能、評価基準、提案書の提出形式・期限などを具体的に提示し、それに基づいた提案書の提出を正式に依頼するための文書です。「RFP」と略称されます。 ### RFQ（見積依頼書）との違い 価格（Quotation）を中心に依頼するRFQ（Request for Quotation）に対し、RFPは価格だけでなく、要求に対する具体的な解決策、実現方法、体制、スケジュール、導入効果など、より包括的な「提案（Proposal）」を求める点が異なります。 ### 目的 - **最適な提案の比較・選定:** 複数のベンダーから具体的な提案を受けることで、技術的な実現可能性、コスト、導入効果、サポート体制などを多角的に比較検討し、自社の要求に最も合致した最適なパートナーを選定します。 - **要求仕様の明確化:** RFPを作成する過程で、発注者側自身の要求事項やプロジェクトの目的が明確化されます。 - **ベンダーとの認識共有:** プロジェクトの目的や要求仕様を文書で明確に伝えることで、ベンダーとの間の認識のずれを防ぎます。 - **選定プロセスの透明性・公平性:** 客観的な評価基準に基づいて提案を評価することで、選定プロセスの透明性と公平性を確保します（特に公共調達で重要）。 ### 主な記載内容 - プロジェクトの概要、目的、背景 - 現状の課題 - 要求する機能、性能、仕様（機能要件、非機能要件） - 提案に含めるべき内容（体制、スケジュール、費用見積もりなど） - 評価基準、選定プロセス - 提出期限、提出方法、問い合わせ先 - 秘密保持に関する事項 ### プロセス RFP発行後、ベンダーからの質疑応答、提案書の受領・評価、プレゼンテーション、最終交渉を経て、発注先が決定されます。 RFPは、複雑なプロジェクトにおいて、発注者と受注候補者の間の円滑なコミュニケーションと、最適なソリューション選定を実現するための重要な文書です。