Risk Governance

### 概要 リスクガバナンス（Risk Governance）とは、組織全体のリスクマネジメントが有効に機能し、組織目標の達成と持続的な価値創造に貢献するように、取締役会や経営執行層が主導して行う、リスクに関する意思決定、監督、および説明責任のプロセスや仕組み全体を指します。コーポレートガバナンス（企業統治）の重要な構成要素の一つです。 ### 主要な要素と活動 - **取締役会・経営層の関与:** 取締役会が最終責任を負い、リスク方針（リスクアペタイト等）を承認、経営層が実行・報告します。 - **リスク管理方針の策定:** 組織全体のリスクに対する考え方、体制、役割と責任などを明確にします。 - **リスク管理体制の構築:** リスク管理委員会、リスク管理部門、プロセス、情報システムなどを整備します。 - **役割と責任の明確化:** スリーラインモデルなどを参照し、各主体の役割・責任を定義します。 - **リスク文化の醸成:** 組織全体でリスクを適切に認識し、責任あるリスクテイクが行われる文化を育みます。 - **監視と報告:** リスク管理活動の有効性を監視し、リスク状況を取締役会やステークホルダーへ適切に報告・開示します。 - **継続的な改善:** リスク環境の変化等を踏まえ、仕組みを継続的に見直します。 ### 意義 適切なリスクガバナンス体制は、組織がリスクを適切にコントロールし損失を回避するだけでなく、計算されたリスクテイクにより機会を捉え、持続的に成長するための基盤となります。