Scalp

### 概要 スキャルピング（Scalping）とは、株式、外国為替証拠金取引（FX）、商品先物、暗号資産などの市場において、ポジションの保有時間が数秒から長くても数分程度と極めて短く、非常に小さな値幅（例: FXでの数pips、株価指数先物での数ティック）での利益確定を狙って、一日に何度も（場合によっては数百回も）売買を繰り返す超短期のトレーディング手法・スタイルです。「薄皮を剥ぐようにわずかな利益を重ねる」という意味合いからこの名前が付いたとされます。 ### 特徴 - **極端な短期売買:** ポジション保有時間が非常に短く、日をまたいでポジションを持ち越すことはありません。 - **小さな利幅狙い:** 一回あたりの利益目標は非常に小さいです。 - **高頻度取引:** 一日に多数回の取引を行います。 - **高い集中力と瞬時の判断:** 短時間での値動きに反応し、素早く売買判断と実行を行う必要があります。 - **スプレッド・手数料コストの影響大:** 一回あたりの利益が小さいため、売買スプレッドや取引手数料といった取引コストが収益性に与える影響が非常に大きくなります。 ### 主なアプローチ - **テクニカル分析中心:** 主に短期のチャート（ティックチャート、1分足など）や板情報（オーダーブック）を分析し、瞬間的な価格の歪みや短期的なモメンタムを捉えようとします。 - **アルゴリズム取引:** 高速な注文執行や複雑な判断が求められるため、コンピュータープログラムによるアルゴリズム取引（システムトレード）が用いられることも多いです。 ### リスクと注意点 - **取引コスト:** スプレッドや手数料が収益を圧迫します。 - **スリッページ:** 市場の急変時など、意図した価格で約定しないリスクがあります。 - **精神的負担:** 高い集中力と迅速な判断が常に求められ、精神的な負担が大きい場合があります。 - **システム環境:** 高速な注文執行が可能な取引システムや、安定したインターネット回線が不可欠です。 - **業者による制限:** 一部のFX業者などでは、サーバーに負荷がかかるなどの理由で、過度なスキャルピング行為を制限または禁止している場合があります。 スキャルピングは、小さな利益を積み重ねる可能性のある手法ですが、高い技術、集中力、そして低コストな取引環境が求められる、難易度の高い取引スタイルの一つです。