Sense of Fair Price

### 概要 値頃感（ねごろかん、Sense of Fair Price）とは、株式、為替、コモディティ、あるいは一般的な商品やサービスなどの価格水準に対して、市場参加者（投資家、トレーダー、消費者など）が、過去の価格推移、同種の商品との比較、自身の経験や感覚などに基づいて、「現在の価格は（本来の価値や過去の水準に比べて）割安だ」「そろそろ買い時（または売り時）ではないか」「このくらいの価格が妥当だろう」といったように、主観的に感じる価格の妥当性や割安・割高感のことです。「相場観」の一部とも言えます。 ### 特徴 - **主観性:** 客観的な評価とは異なり、個々の参加者の経験、心理状態、リスク許容度などに左右されます。 - **相対性:** 多くの場合、過去の価格水準や類似商品との比較で判断されます。 - **市場心理の反映:** 市場全体の「値頃感」は、集団的な楽観や悲観といった市場センチメントを反映する場合があります。 ### 利用場面（金融市場） - **売買タイミングの判断:** 「そろそろ値頃だろう」という感覚的な判断が、個人の投資家の売買タイミング（特に逆張り的な買いや利益確定・損切り）に影響を与えることがあります。 - **市場分析:** アナリストなどが、現在の価格水準に対する市場参加者の「値頃感」の変化を分析し、短期的な市場の方向性を探る材料とすることがあります。 ### 注意点 - **非合理的判断の可能性:** 「値頃感」だけに基づいた投資判断は、客観的な根拠を欠き、感情的な取引や安易なナンピン買いなどを招くリスクがあります。 - **「安い」と「割安」の違い:** 単に価格が過去より低い（安い）だけで、本質的な価値に対して割安（アンダーバリュー）であるとは限りません。 値頃感は、市場心理を反映する概念ですが、投資判断においては客観的な分析と組み合わせることが推奨されます。