Trading in Intangibles

### 概要 無体物取引（Trading in Intangibles）とは、土地、建物、機械、商品といった物理的な実体（有体物）を持たない、権利や情報などの無形の資産（無体財産、Intangible Assets）を対象とした取引全般を指します。 ### 対象となる主な無体物（無体財産） - **知的財産権:** 特許権, 商標権, 著作権, 意匠権, 営業秘密・ノウハウなど。 - **ソフトウェア:** コンピュータープログラム、アプリケーション。 - **データ:** 顧客データ、市場データ、研究データなど。 - **営業権（のれん, Goodwill）:** 企業の超過収益力やブランド価値など。 - **各種の権利:** 鉱業権、漁業権、放送権、フランチャイズ権、排出権など。 - **金融商品（の一部）:** デリバティブ契約なども広義には含まれます。 ### 取引形態 - **ライセンス契約:** 知的財産権やソフトウェアの使用権許諾。 - **譲渡契約:** 知的財産権などの権利自体の売買・譲渡。 - **データ売買・利用契約:** データの販売や利用権提供。 - **排出権取引:** 市場での排出権（クレジット）売買。 - **M&A:** 営業権（のれん）が企業価値の一部として評価・移転。 ### 重要性と課題 現代経済において技術、情報、ブランドといった無形資産の価値は高まっており、無体物取引の重要性も増しています。一方で、価値評価の難しさ、権利範囲特定や侵害立証の困難さ、国際取引での法制度の違いといった課題もあります。