Transfer of Risk

### 概要 リスク移転（Transfer of Risk または Risk Sharing）とは、組織や個人が認識・評価したリスクに対して、そのリスクから生じる潜在的な損失の財務的影響を、契約や金融商品などを利用して、他の当事者（第三者）に部分的または完全に移す（転嫁する）リスク対応策の一つです。 ### リスク対応の選択肢 リスク対応には、移転以外に、主にリスク回避、リスク低減、リスク受容があります。 ### 主なリスク移転の手段 - **保険 (Insurance):** 火災、事故、賠償責任などのリスクを保険会社に移転します。 - **ヘッジ取引 (Hedging):** 先物、オプション、スワップなどを利用して、価格変動リスクなどを市場の他の参加者に移転します。 - **保証 (Guarantee):** 第三者に債務などの履行を保証してもらうことで、信用リスクを移転します。 - **アウトソーシング (Outsourcing):** 業務委託により、関連するオペリスクなどを（部分的に）移転します。 - **契約によるリスク分担:** 契約条項（免責条項など）によってリスク負担者を明確にし、リスクを移転または分担させます。 ### 注意点 - **コスト:** 保険料やヘッジコストなどの費用が伴います。 - **完全な移転ではない場合:** 免責金額やベーシスリスクなど、全てのリスクが移転されるわけではない場合が多いです（残存リスク）。 - **新たなリスクの発生:** 保険会社の信用リスクなど、新たなリスクを生む可能性もあります。 リスク移転は、自らコントロールできないリスクや、保有するには大きすぎるリスクに対処するための有効な手段の一つです。