Z-score

### 概要 Zスコア（Z-score）とは、統計学において、あるデータ点がそのデータセットの平均値からどれだけ離れているかを、標準偏差を単位として表した値です。「Z値」や「標準得点（Standard Score）」とも呼ばれます。データの相対的な位置を示す標準化された指標です。 ### 計算式 Zスコア = (個々のデータ値 - データセットの平均値) / データセットの標準偏差 ### 解釈 - Z = 0: 平均値と等しい。 - Z > 0: 平均値より大きい（Z=1 なら標準偏差1つ分大きい）。 - Z < 0: 平均値より小さい（Z=-2 なら標準偏差2つ分小さい）。 ### 特徴と利点 - **標準化:** 元の単位に関係なく、平均からの相対的な離れ具合を共通尺度で比較可能にします。 - **相対的位置の把握:** データセット全体での相対的な位置（例: 上位何%か）を把握しやすくします。 - **外れ値の検出:** Zスコアの絶対値が非常に大きい（例: 3以上）データ点は外れ値の可能性が高いと判断する目安になります。 ### 利用場面 - **偏差値の計算:** テスト得点などを偏差値（Zスコア × 10 + 50）に変換。 - **データ比較:** 平均や標準偏差が異なるデータセット間で相対位置を比較。 - **品質管理:** 製品品質が規格や平均からどの程度ずれているか評価。 - **金融分析:** アルトマンのZスコアモデル（倒産確率予測）など。 Zスコアは、データの標準化と比較のための基本的な統計的手法です。