Basis
ベーシス
価格形成
特定の時点における、ある商品の現物価格(スポット価格)と先物価格との価格差のことです。金利、保管コスト、便宜収益などを反映し、その変動はベーシスリスクと呼ばれます。
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### 概要
ベーシス(Basis)とは、主に商品市場や金融市場において、特定の時点における現物(スポット)市場の価格とその同一(または関連する)資産の先物市場(または先渡市場)の価格との差額を指します。
**ベーシス = 現物価格 (Spot Price) - 先物価格 (Futures Price)**
### 価格差の要因
理論的には、ベーシスは現物を先物の満期まで保有するためのコスト(キャリーコスト)や便益を反映しています。
- **キャリーコスト (Cost of Carry):** 金利コスト、保管コストなど。
- **インカム・便益:** 配当・利息、便宜収益 (Convenience Yield)など。
市場がコンタンゴ(順鞘:先物価格 > 現物価格)の場合、ベーシスはマイナスになります。市場がバックワーデーション(逆鞘:現物価格 > 先物価格)の場合、ベーシスはプラスになります。
### ベーシスリスク
ベーシスの値は、上記の要因によって時間と共に変動します。この変動により、ヘッジ取引を行っていても現物価格と先物価格の値動きが完全に一致せず、ヘッジ効果が損なわれるリスクを「ベーシスリスク」と呼びます。
### 利用場面
- **ヘッジ効果の評価:** ヘッジ取引におけるベーシスリスクの大きさを評価します。
- **裁定取引:** 理論ベーシスと市場ベーシスの乖離を利用した裁定取引の判断材料となります。
- **市場分析:** ベーシスの変動から、現物市場の需給逼迫度や便宜収益の変化などを推測します。
- **ベーシス取引:** ベーシス自体の変動を対象とした取引(例: コモディティ・ベーシススワップ)。
ベーシスは、現物市場と先物市場の関係性を理解する上で基本的な概念です。
同義語・略語
現先スプレッド
用例 (6)
ベーシスリスク
ベーシス取引
季節的ベーシス
ベーシスの計算例
ベーシスの変動要因
ベーシスの強弱
ベーシスパターン (4)
強いベーシス
現物価格が先物価格を大幅に上回る状態。現物需要が強く、供給が制約されている状況を示す
市場条件
バックワーデーション
弱いベーシス
先物価格が現物価格を大幅に上回る状態。現物需要が弱く、供給が豊富な状況を示す
市場条件
コンタンゴ
季節的ベーシスパターン
農産物などで見られる季節的な要因によるベーシスの変動パターン。収穫期前後でベーシスが大きく変動する
市場条件
季節変動
地域間ベーシス
異なる地域間での同一商品の価格差。輸送コストや地域特有の需給状況を反映する
市場条件
地域差