Commodity Swap

コモディティスワップ

スワップ分類

特定のコモディティ(商品)の価格変動に基づいてキャッシュフローを交換するスワップ契約です。変動価格と固定価格を交換する形式が一般的です。商品の価格変動リスクを管理するために利用されます。

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### 概要 コモディティスワップは、特定のコモディティ(原油、金属、農産物など)の価格に連動するキャッシュフローを、当事者間で事前に合意した期間にわたって交換する相対取引のデリバティブ契約です。 ### 仕組み 最も一般的なのは「固定価格 対 変動価格」のスワップです。一方の当事者は契約期間中、対象コモディティの市場価格に連動した変動価格を受け取り、もう一方の当事者に事前に定めた固定価格を支払います(支払・受取が逆の契約も可能です)。通常、これらの支払いは差額のみを決済する差金決済で行われます。 ### 主な利用目的 * **生産者:** 将来の販売価格を固定化し、価格下落リスクを回避(ヘッジ)します。 * **消費者(実需家):** 将来の購入価格を固定化し、価格上昇リスクを回避(ヘッジ)します。 * **金融機関・トレーダー:** 顧客へのリスクヘッジ手段提供や、価格変動からの収益獲得(投機)を目的とします。 ### 対応できる主なリスク * **価格変動リスク:** コモディティの将来価格の不確実性に対する直接的なヘッジ手段です。収入や支出の安定化に役立ちます。 * **インフレーションリスク(一部):** コモディティ価格がインフレ率と相関する場合、インフレに対する間接的なヘッジとして機能することがあります。 ### 利用上の注意点 * 相対取引であるため、取引相手の信用リスク(カウンターパーティリスク)が伴います。 * 市場価格が固定価格から大きく乖離した場合、想定外の評価損益やキャッシュフローが発生する可能性があります。 * 参照する市場価格と、自身が実際に取引する価格との間に差異(ベーシスリスク)がある場合、ヘッジ効果が完全に得られない可能性があります。

同義語・略語

商品スワップ

関連用語
Commodity Basis Swap

コモディティ・ベーシススワップ

コモディティ(商品)の異なる価格間の差(ベーシス)の変動リスクを管理・交換するために用いられるスワップ契約です。地域間、品質間、期間などの価格差が対象となります。

Cross Currency Swap

クロスカレンシースワップ

異なる通貨建てのキャッシュフロー(元本と金利)を交換するスワップ契約です。為替リスクと金利リスクを同時に管理する目的で利用されます。契約開始時と終了時に元本交換を伴うことが多いです。

Currency Swap

通貨スワップ

異なる通貨建てのキャッシュフローを交換するスワップ契約の総称です。主に金利部分のみを交換する場合と、元本交換を伴う場合があります。クロスカレンシースワップは元本交換を伴う通貨スワップの代表例です。

Deferred Swap

繰延スワップ

スワップ契約のキャッシュフロー交換(金利や価格の支払い・受取り)が、契約締結日よりも後の、将来の特定日から開始されるスワップ取引です。開始時期を調整したい場合に利用されます。

Equity Swap

株式スワップ

一方の当事者が株価指数や個別株式のリターン(配当込みトータルリターン)を支払い、もう一方の当事者から金利(固定または変動)を受け取る(またはその逆)スワップ契約です。株式へのエクスポージャーを現物保有なしに得たり、ヘッジしたりする目的で利用されます。

Exotic Swap

エキゾチックスワップ

標準的なスワップ(プレーンバニラ・スワップ)とは異なる、特殊な条件や複雑なキャッシュフロー構造を持つスワップ取引の総称です。特定のニーズに合わせてオーダーメイドで組成されます。

Freight Swap

フレートスワップ

海上運賃指数(例: Baltic Dry Indexの各ルート)の変動リスクを管理するためのスワップ取引です。主にFFA(海上運賃先渡契約)の形態で取引され、運賃変動リスクのヘッジなどに利用されます。

Inflation Swap

インフレスワップ

インフレ率(通常は消費者物価指数など)に連動するキャッシュフローと、固定金利に基づくキャッシュフローを交換するスワップ契約です。インフレ変動リスクを管理する目的で利用されます。

Interest Rate Swap

金利スワップ

同一通貨において、異なる種類の金利(主に固定金利と変動金利)に基づいて計算されるキャッシュフローを交換するスワップ契約です。金利変動リスクの管理や、資金調達コストの調整に広く用いられます。

Mortgage Swap

モーゲージスワップ

住宅ローン担保証券(MBS)などのモーゲージ関連資産のパフォーマンス(金利やキャッシュフロー)を、LIBORなどの市場金利と交換するスワップ契約です。モーゲージ関連の金利リスクやプレペイメントリスクを管理するために利用されます。

Quanto Swap

クアントスワップ

参照する資産(株価、金利、コモディティ価格など)の価格変動は外貨建てで計算されるものの、キャッシュフローの交換は自国通貨など別の通貨で行われるスワップ契約です。為替リスクを排除する特徴があります。

Spread Swap

スプレッドスワップ

二つの異なる変動金利、または二つの異なる資産価格(コモディティ価格など)の差(スプレッド)に基づいてキャッシュフローを交換するスワップ契約です。価格差の変動リスク管理や投機に利用されます。

Total Return Swap

トータルリターンスワップ

特定の資産(株式、債券、指数など)から生じるトータルリターン(価格変動+インカムゲイン)を、市場金利などに連動する金利支払いと交換するスワップ契約です。資産の保有権を移さずに経済的エクスポージャーを移転させます。

Variance Swap

バリアンススワップ

特定の原資産(株価指数など)の将来の実現ボラティリティの二乗(=バリアンス)と、事前に定めた固定バリアンス水準(ストライク)との差額を交換するスワップ契約です。ボラティリティ変動に対する純粋なエクスポージャーを取るために利用されます。

Volatility Swap

ボラティリティスワップ

特定の原資産(株価指数など)の将来の実現ボラティリティ(標準偏差)と、事前に定めた固定ボラティリティ水準(ストライク)との差額を交換するスワップ契約です。バリアンススワップと似ていますが、ボラティリティ(標準偏差)そのものを対象とします。

Weather Swap

天候スワップ

天候デリバティブの一種で、気温、降水量などの天候指標に基づいて計算される変動キャッシュフローと、事前に定められた固定キャッシュフローを交換するスワップ契約です。

Swap

スワップ

スワップとは、将来の異なるキャッシュフロー(お金の流れ)を、事前に定めた条件で交換することを約束するデリバティブ契約です。金利、通貨、商品価格などを参照し、主に相対取引で契約条件が柔軟に決められます。リスク管理や特定の市場エクスポージャー調整などの目的で広く利用されます。

参考文献

参考文献はありません