Cross Currency Swap

クロスカレンシースワップ

スワップ分類

異なる通貨建てのキャッシュフロー(元本と金利)を交換するスワップ契約です。為替リスクと金利リスクを同時に管理する目的で利用されます。契約開始時と終了時に元本交換を伴うことが多いです。

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### 概要 クロスカレンシースワップは、異なる二つの通貨建ての元本および金利を、契約期間にわたって交換する相対取引のデリバティブ契約です。異なる通貨間での資金調達やリスク管理に用いられます。 ### 仕組み 多くの場合、以下の交換が行われます。 1. **契約開始時:** 異なる通貨建ての元本を、その時点の為替レートで交換します。 2. **契約期間中:** それぞれの通貨の元本に対応する金利(固定金利同士、変動金利同士、固定と変動の組み合わせなど、契約により様々)を定期的に交換します。 3. **契約終了時:** 開始時に交換した元本を、同じ為替レートで再び交換し返済します。 ### 主な利用目的 * **有利な資金調達:** ある通貨市場で有利な条件で資金調達し、スワップを通じて実質的に別の通貨での調達に変換します(比較優位の活用)。 * **為替・金利リスクヘッジ:** 異なる通貨建ての資産や負債から生じる為替変動リスクや金利変動リスクをまとめてヘッジします。 * **長期の為替予約:** 実質的に、契約期間全体のキャッシュフローに対する為替レートを固定する効果を持ちます。 ### 対応できる主なリスク * **為替変動リスク:** 契約期間中の為替レート変動から、元本や金利支払い額が影響を受けるリスクをヘッジします。 * **金利変動リスク:** 異なる通貨の金利変動に対するエクスポージャーを管理・変換します。 * **流動性リスク:** 特定通貨での資金調達が難しい場合に、代替手段として利用されることがあります。 ### 利用上の注意点 * 通貨スワップと同様、カウンターパーティリスクが伴います。 * 契約期間が長期にわたることが多く、金利や為替の大きな変動による影響を受けやすい側面があります。 * 契約条件が複雑になる場合があり、評価やリスク管理には専門知識が必要です。

同義語・略語

通貨ベーシススワップ

関連用語
Commodity Basis Swap

コモディティ・ベーシススワップ

コモディティ(商品)の異なる価格間の差(ベーシス)の変動リスクを管理・交換するために用いられるスワップ契約です。地域間、品質間、期間などの価格差が対象となります。

Commodity Swap

コモディティスワップ

特定のコモディティ(商品)の価格変動に基づいてキャッシュフローを交換するスワップ契約です。変動価格と固定価格を交換する形式が一般的です。商品の価格変動リスクを管理するために利用されます。

Currency Swap

通貨スワップ

異なる通貨建てのキャッシュフローを交換するスワップ契約の総称です。主に金利部分のみを交換する場合と、元本交換を伴う場合があります。クロスカレンシースワップは元本交換を伴う通貨スワップの代表例です。

Deferred Swap

繰延スワップ

スワップ契約のキャッシュフロー交換(金利や価格の支払い・受取り)が、契約締結日よりも後の、将来の特定日から開始されるスワップ取引です。開始時期を調整したい場合に利用されます。

Equity Swap

株式スワップ

一方の当事者が株価指数や個別株式のリターン(配当込みトータルリターン)を支払い、もう一方の当事者から金利(固定または変動)を受け取る(またはその逆)スワップ契約です。株式へのエクスポージャーを現物保有なしに得たり、ヘッジしたりする目的で利用されます。

Exotic Swap

エキゾチックスワップ

標準的なスワップ(プレーンバニラ・スワップ)とは異なる、特殊な条件や複雑なキャッシュフロー構造を持つスワップ取引の総称です。特定のニーズに合わせてオーダーメイドで組成されます。

Freight Swap

フレートスワップ

海上運賃指数(例: Baltic Dry Indexの各ルート)の変動リスクを管理するためのスワップ取引です。主にFFA(海上運賃先渡契約)の形態で取引され、運賃変動リスクのヘッジなどに利用されます。

Inflation Swap

インフレスワップ

インフレ率(通常は消費者物価指数など)に連動するキャッシュフローと、固定金利に基づくキャッシュフローを交換するスワップ契約です。インフレ変動リスクを管理する目的で利用されます。

Interest Rate Swap

金利スワップ

同一通貨において、異なる種類の金利(主に固定金利と変動金利)に基づいて計算されるキャッシュフローを交換するスワップ契約です。金利変動リスクの管理や、資金調達コストの調整に広く用いられます。

Mortgage Swap

モーゲージスワップ

住宅ローン担保証券(MBS)などのモーゲージ関連資産のパフォーマンス(金利やキャッシュフロー)を、LIBORなどの市場金利と交換するスワップ契約です。モーゲージ関連の金利リスクやプレペイメントリスクを管理するために利用されます。

Quanto Swap

クアントスワップ

参照する資産(株価、金利、コモディティ価格など)の価格変動は外貨建てで計算されるものの、キャッシュフローの交換は自国通貨など別の通貨で行われるスワップ契約です。為替リスクを排除する特徴があります。

Spread Swap

スプレッドスワップ

二つの異なる変動金利、または二つの異なる資産価格(コモディティ価格など)の差(スプレッド)に基づいてキャッシュフローを交換するスワップ契約です。価格差の変動リスク管理や投機に利用されます。

Total Return Swap

トータルリターンスワップ

特定の資産(株式、債券、指数など)から生じるトータルリターン(価格変動+インカムゲイン)を、市場金利などに連動する金利支払いと交換するスワップ契約です。資産の保有権を移さずに経済的エクスポージャーを移転させます。

Variance Swap

バリアンススワップ

特定の原資産(株価指数など)の将来の実現ボラティリティの二乗(=バリアンス)と、事前に定めた固定バリアンス水準(ストライク)との差額を交換するスワップ契約です。ボラティリティ変動に対する純粋なエクスポージャーを取るために利用されます。

Volatility Swap

ボラティリティスワップ

特定の原資産(株価指数など)の将来の実現ボラティリティ(標準偏差)と、事前に定めた固定ボラティリティ水準(ストライク)との差額を交換するスワップ契約です。バリアンススワップと似ていますが、ボラティリティ(標準偏差)そのものを対象とします。

Weather Swap

天候スワップ

天候デリバティブの一種で、気温、降水量などの天候指標に基づいて計算される変動キャッシュフローと、事前に定められた固定キャッシュフローを交換するスワップ契約です。

Swap

スワップ

スワップとは、将来の異なるキャッシュフロー(お金の流れ)を、事前に定めた条件で交換することを約束するデリバティブ契約です。金利、通貨、商品価格などを参照し、主に相対取引で契約条件が柔軟に決められます。リスク管理や特定の市場エクスポージャー調整などの目的で広く利用されます。

参考文献

参考文献はありません