Counterparty Risk Amount

取引先リスク相当額（Counterparty Risk Amount）は、特定の取引先に対する信用リスクの総額を表す指標です。その取引先との全ての取引から生じる信用リスクを統合して測定し、取引先の信用力や取引条件を考慮して算出されます。

基本概念

取引先リスク相当額は、特定の取引先との全ての取引から生じる信用リスクを統合した指標です。融資、保証、デリバティブ取引、貿易金融など、様々な取引形態のリスクを統合し、取引先の信用力や取引条件を考慮して算出されます。この指標により、取引先に対する総合的な信用リスクを把握できます。

なぜ重要か

取引先リスク相当額は、信用集中リスクを管理する上で最も基本的で重要な指標です。単一取引先に対する総合的な信用リスクを把握することで、適切な制限設定やリスク管理が可能になります。また、ポートフォリオ全体のリスク分析や資本充足性の評価においても重要な役割を果たします。

主な特徴

包括性: 取引先との全ての取引が対象となります。

統合性: 様々な取引形態のリスクを統合して測定します。

動的性: 取引の変化や取引先の状況変化に応じて変動します。

比較可能性: 異なる取引先間でのリスク比較が可能です。

算出方法

現在エクスポージャー: 現在の取引残高に基づくリスク額

潜在エクスポージャー: 将来の取引拡大に基づくリスク額

信用調整: 取引先の信用力に基づく調整

担保調整: 担保の価値に基づく調整

ネット化: 相殺可能な取引の相殺処理

実務での活用

制限管理: 取引先制限との照合に使用します。

リスク監視: 取引先リスクの変化を監視します。

報告: 経営陣や取締役会への報告に使用します。

資本計算: 信用リスク資本の算出に使用します。

他の指標との関係

信用集中リスク: 取引先リスクの集中度を表す指標

信用エクスポージャー制限: 取引先リスクの上限値

単一借手制限: 借手全体のリスク上限値

業界集中制限: 業界全体のリスク上限値

取引先リスク相当額は、信用集中リスク管理の基本となる重要な指標です。