Crop Year

### 概要 作物年度（Crop Year）または穀物年度（Grain Year / Marketing Year）とは、特定の農作物（穀物、油糧種子、綿花など）に関して、その作物の収穫期を基準（通常は年度の始まり）として設定される、連続した12ヶ月間の期間を指します。暦年（1月～12月）や多くの国の会計年度とは異なる、農産物特有の年度区分です。 ### 設定方法 作物年度の開始月は、作物や国（特に北半球か南半球か）によって異なります。その作物の主要な収穫が始まる時期に合わせて設定されるのが一般的です。 - **例（米国農務省 USDA の定義）:** - トウモロコシ、大豆: 9月1日～翌年8月31日 - 小麦: 6月1日～翌年5月31日 - 綿花: 8月1日～翌年7月31日 - 米: 8月1日～翌年7月31日 ### 目的と利用 - **需給統計の集計:** ある年に収穫された作物が、翌年の収穫期までの間にどのように消費され、輸出され、在庫として持ち越されるか、という一連の需給バランスを追跡・集計するための標準的な期間として用いられます。USDA（米国農務省）が発表するWASDEレポート（世界農産物需給予測）などは、この作物年度を基準としています。 - **市場分析:** トレーダーやアナリストは、作物年度ごとの生産量、消費量、期末在庫量、在庫率（期末在庫量/年間消費量）などのデータを分析し、市場の需給状況や将来の価格動向を予測します。 - **取引:** 先物市場の限月設定なども、作物年度のサイクル（収穫期、需要期など）を意識して行われることがあります。 作物年度を理解することは、特定の農産物市場の需給ファンダメンタルズを分析する上で不可欠です。