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コモディティ取引用語辞典トレタム

コモディティ取引に関する専門用語を学べる総合用語集

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    Forward Price

    先渡価格

    現物市場

    先渡価格は、将来の特定日に商品や通貨を受け渡す際の契約価格で、現物価格に保管コストや金利を加味して決定されます。市場の需給バランスや参加者の将来予測が反映され、現物価格との差額は市場の期待を表す重要な指標となっています。企業の価格リスク管理や投資判断の基準として広く活用される価格です。

    基本概念

    先渡価格(Forward Price、フォワード- プライス)は、先渡契約において将来の受渡日に適用される価格です。この価格は契約締結時に確定し、受渡日まで変更されることはありません。理論的には「現物価格+持越コスト」という関係で決まりますが、実際の市場では需給や期待値など、さまざまな要因が複雑に影響し合って形成されます。

    たとえば、現在の金価格が1オンス2,000ドルで、3か月後の先渡価格が2,020ドルだとします。この20ドルの差額には、金利コスト、保管費用、そして市場参加者の将来に対する見通しが含まれています。このように先渡価格は、単なる将来の取引価格ではなく、市場の情報を集約した重要な経済指標でもあるのです。

    価格決定の要因

    理論的要因

    • 現物価格(スポット価格): 先渡価格の基準となる現在の市場価格です
    • 金利コスト: 資金を先渡契約に投じることによる機会費用や調達コストを反映します
    • 保管コスト: 商品を受渡日まで保管するための倉庫料や保険料などが含まれます
    • コンビニエンス- イールド: 現物を保有することで得られる便益(緊急時の利用可能性など)を表します
    • 配当や利息: 金融資産の場合、保有期間中の配当や利息収入が価格に影響します

    市場要因

    • 需給バランス: 将来の供給不足や需要増加の予測が価格に織り込まれます
    • 季節性: 農産物やエネルギーなど、季節による需要変動が価格に反映されます
    • 地政学的リスク: 産出国の政治情勢や国際関係が価格形成に影響を与えます
    • 市場心理: 投資家の楽観や悲観が価格に反映され、理論値から乖離することもあります

    理論価格の計算

    基本的な計算式

    商品の先渡価格は、以下の式で理論的に計算されます:

    先渡価格 = 現物価格 × (1 + 無リスク金利 × 期間) + 保管コスト - コンビニエンス- イールド

    金融資産の場合は、より単純な式となります:

    先渡価格 = 現物価格 × (1 + 無リスク金利 × 期間) - 期待配当

    実例での計算

    原油の3か月先渡価格を計算する場合を考えてみましょう。現物価格が1バレル80ドル、年率金利が4%、月間保管コストが0.5ドル、コンビニエンス- イールドが月0.2ドルとすると:

    先渡価格 = 80 × (1 + 0.04 × 0.25) + (0.5 × 3) - (0.2 × 3) = 80.8 + 1.5 - 0.6 = 81.7ドル

    このように、各要素を積み上げて理論価格を算出します。

    実務での活用

    1. 価格リスクヘッジ: 企業が将来の調達価格や販売価格を確定し、事業計画の確実性を高めます
    2. 投資戦略の構築: 先渡価格と現物価格の関係から、市場の期待を読み取り投資判断を行います
    3. 裁定取引の実行: 理論価格と実際の市場価格の乖離を利用した収益機会を追求します
    4. 在庫管理の最適化: 先渡価格カーブを分析し、在庫保有と先渡購入のバランスを決定します

    価格カーブの形状と意味

    コンタンゴ(Contango)

    先渡価格が現物価格を上回る状態をコンタンゴといいます。これは正常な市場状態で、保管コストと金利が価格に上乗せされている状況です。在庫が潤沢で、将来の供給に不安がない場合によく見られます。投資家にとっては、現物を保有するより先渡契約の方が有利となる場合があります。

    バックワーデーション(Backwardation)

    先渡価格が現物価格を下回る状態をバックワーデーションといいます。これは現物の需給が逼迫し、すぐに商品を手に入れることに価値がある状況を示しています。供給ショックや在庫不足の際に発生しやすく、市場のストレスを表す指標となります。

    メリット- 効果

    先渡価格を活用することで、企業は将来の不確実性を大幅に軽減できます。製造業では原材料コストを事前に確定でき、製品価格の設定や利益計画が立てやすくなるでしょう。また、金融機関は先渡価格を基準にさまざまな金融商品を開発し、顧客のリスク管理ニーズに応えています。

    市場全体としても、先渡価格は重要な情報伝達機能を果たしています。将来の需給見通しや市場参加者の期待が価格に集約されることで、資源配分の効率性が向上します。生産者は先渡価格を参考に生産計画を立て、消費者は調達戦略を最適化できるのです。

    注意点- リスク

    先渡価格と実際の将来価格は必ずしも一致しません。市場環境の急変や予期せぬイベントにより、受渡日の現物価格が先渡価格から大きく乖離することがあります。このため、先渡価格を将来価格の予測値として過度に依存することは危険です。

    また、流動性の低い市場では、先渡価格が少数の取引で決まることがあり、市場全体の期待を正確に反映していない可能性があります。特に長期の先渡価格は取引量が少なく、価格の信頼性が低下する傾向にあるため、注意が必要でしょう。

    関連用語との違い

    • 現物価格(Spot Price): 即時または短期での取引価格で、先渡価格の基準となります
    • 先物価格(Futures Price): 取引所で形成される標準化された将来価格で、日々変動します
    • 予想価格(Expected Price): 将来の価格予測値で、先渡価格とは概念的に異なります
    • 行使価格(Strike Price): オプション取引における権利行使価格で、契約時に固定されます
    同義語・略語

    先渡価格, 予約価格

    関連用語
    Forward Discount

    先渡ディスカウント

    先渡ディスカウントは、先渡価格が現物価格を下回る金額または比率を指し、現物の需給逼迫や将来の価格下落期待を反映しています。即座に商品を入手することの価値が高まっている状態で、在庫不足や供給障害時によく発生します。市場のストレス状態を示す重要な指標として、取引戦略の立案や市場分析に活用されています。

    Forward Contract

    フォワード契約(先渡し契約)

    将来の特定日に、あらかじめ決めた価格で商品を売買する相対契約です。価格変動リスクのヘッジと、将来の商品確保を同時に実現できる取引形態です。標準化された先物取引と異なり、数量や品質、受渡し条件を自由に設定でき、実需に基づく長期的な取引関係の構築に適しています。

    Currency Forward

    通貨先渡

    通貨先渡は、将来の特定日に定められた為替レートで通貨を交換する契約で、企業の為替リスク管理の中核的ツールです。輸出入企業や国際投資を行う機関が、為替変動から収益を守るために活用し、契約時点で将来の為替レートを確定できます。銀行間市場で活発に取引され、グローバルビジネスを支える重要な金融インフラとなっています。

    Forward Premium

    先渡プレミアム

    先渡プレミアムは、先渡価格が現物価格を上回る金額または比率を指し、将来の価格上昇期待や保有コストを反映しています。金利、保管費用、保険料などのキャリーコストが主な構成要素となり、市場の需給状況によって変動します。投資戦略の立案や価格リスク管理において、市場の期待を読み取る重要な指標として活用されています。

    Forward

    先渡取引

    先渡取引は、将来の特定時期に商品や通貨を、現時点で合意した価格で売買する相対取引です。取引所を介さず当事者間で直接契約するため、数量や受渡条件を自由に設定できます。企業の実需に基づく価格リスクヘッジに広く利用され、標準化された先物取引と並ぶ重要なデリバティブ取引の一つです。

    Forward Settlement

    先渡決済

    先渡決済は、先渡契約の満期日に行われる取引完了プロセス全体を指し、商品の受け渡しと代金支払いの両方を含みます。現物決済と差金決済の2つの方式があり、契約内容や市場慣行に応じて選択されます。決済の確実な履行は取引の信頼性を支える重要な要素であり、適切な決済管理が金融市場の安定性に貢献しています。

    Cash Market

    現物市場(キャッシュマーケット)

    商品の即時決済と受渡しを行う市場で、先物市場と対をなす基本的な取引形態です。実物商品の所有権が売買と同時に移転し、決済後すぐに商品を受け取ることができます。価格発見機能と実需取引の場として、商品流通の基盤となっています。