HS Code

概要

HS Code（Harmonized System Code）は、国際貿易で使用される統一商品分類コードです。世界税関機構（WCO）が管理する国際標準で、6桁の共通コードにより商品を体系的に分類します。関税率の決定、貿易統計の作成、原産地規則の適用などに不可欠な基準となっています。

主な特徴

HSコードは階層構造を持ち、2桁の類、4桁の項、6桁の号で構成されます。6桁までは国際共通で、7桁目以降は各国独自の細分化が可能です。約5,000の品目グループに分類され、定期的に改訂されます（現在はHS2022が最新版）。すべての物品が網羅的に分類される仕組みになっています。

実務での活用

輸出入申告時にHSコードを正確に特定することが重要です。事前教示制度により、税関から正式な分類決定を取得できます。商品データベースを構築し、HSコードを管理することで、申告業務を効率化できます。FTA/EPA利用時には、HSコードに基づく原産地規則の確認が必要です。

メリット- 効果

正確なHSコード分類により、適切な関税率の適用を受けられます。国際標準のため、各国共通の理解が可能で、貿易交渉が円滑になります。貿易統計の国際比較が可能となり、市場分析に活用できます。特恵関税や免税措置の適用判断が明確になります。

注意点- リスク

HSコードの誤りは、関税の過少- 過大納付につながります。分類の解釈相違により、税関との見解が異なる場合があります。技術革新による新製品は、既存分類に当てはまらない場合があります。改訂時の変更により、継続的な管理更新が必要です。

関連用語との違い

「SITC」は国連統計用の分類、「HS Code」は関税- 貿易実務用の分類です。「CN Code」はEUの8桁分類、「HS Code」は6桁の国際共通分類です。「TARIC」はEUの10桁詳細分類で、HS Codeをベースに拡張されています。

実務ポイント- 事例

ある化学品メーカーでは、HSコード管理システムの導入により、分類ミスを90%削減しました。複合製品の分類では、主要機能に基づく判断が重要で、専門家への相談が推奨されます。税関の事前教示を活用し、年間数千万円の関税削減を実現した企業があります。