VAT, Value Added Tax

### 概要 付加価値税（Value Added Tax, VAT）は、商品やサービスが生産され、流通していく各段階で新たに生み出された価値（付加価値：売上から仕入を差し引いたもの）に対して課税される間接税の一種です。ヨーロッパをはじめ、世界で多くの国が導入しています。日本の消費税も、仕組みとしてはVATに分類されます。 ### 課税の仕組み（仕入税額控除方式） 通常、以下の仕組みで課税・徴収されます。 1. 各段階の事業者は、自社の売上に対するVAT額から、仕入の際に支払ったVAT額を差し引きます（仕入税額控除）。 2. 事業者は、この差額（自身が生み出した付加価値に対応する税額）を税務当局に納付します。 3. 最終的に、消費者が小売価格に含まれるVAT全額を負担します。 ### 特徴 - **間接税:** 納税義務者（事業者）と担税者（消費者）が異なります。 - **多段階課税:** 各段階で課税されますが、仕入税額控除により二重課税は回避されます。 - **消費税としての性格:** 最終的には消費者が負担します。 ### 国際取引 輸出は通常免税され（輸出免税）、輸入品にはVATが課税されます（国境税調整）。 ### 税率 税率は国によって異なり、標準税率のほかに軽減税率が適用される国もあります。 VATは、国の歳入源として、また経済政策の手段として、多くの国で採用されている主要な税制の一つです。