I-REC

### 概要 I-REC（International Renewable Energy Certificate）とは、再生可能エネルギーによって発電された電力の「環境価値」を、発電された電力そのものから切り離し、「証書」という形で発行・取引・管理するための国際的な標準化されたトラッキングシステム、およびその証書自体のことです。 ### 目的と仕組み - **再エネ電力の調達証明:** 企業などが自ら消費した電力が再エネ由来であることを証明する手段として利用されます。特に、北米（REC）や欧州（GO）のような制度がない国・地域で有効です。 - **トラッキングシステム:** 各国・地域の認定発行主体が再エネ発電設備を登録し、発電量に基づきI-REC証書を発行します。電子登録簿システムで所有権移転や最終使用（償却）が追跡され、二重計上が防止されます。 - **取引:** 発行されたI-RECは、主に相対取引を通じて、再エネ電力を利用したい企業などに販売されます。 ### 利用場面 - **企業の再エネ目標達成:** RE100などの目標達成のため、海外拠点で再エネ電力を調達する方法の一つとして利用されます。 - **Scope 2 排出量算定:** GHGプロトコルにおいて、マーケット基準での排出量算定に利用できるエネルギー属性証書の一つと認識されています。購入・償却によりScope 2排出量をゼロと見なせます。 I-RECは、グローバル企業などが世界各地で再エネ利用を主張するための信頼できる仕組みを提供しています。