Japan Exchange Group

日本取引所グループ（Japan Exchange Group, Inc.、略称：JPX）は、日本の金融市場の中核を担う総合取引所グループです。2013年1月1日、東京証券取引所グループと大阪証券取引所の経営統合により誕生し、アジアを代表する国際金融センターとしての地位確立を目指しています。

グループ構成と主要子会社

JPXグループは複数の取引所および関連会社で構成されています。主要な子会社として、東京証券取引所（現物株式市場の運営）、大阪取引所（デリバティブ市場の運営）、日本証券クリアリング機構（清算業務）、日本取引所自主規制法人（市場監視- 規制業務）などがあります。これらの組織が一体となって、取引から清算- 決済まで一貫したサービスを提供しています。

市場構成と取引規模

JPXが運営する市場は、現物市場とデリバティブ市場に大別されます。現物市場では、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つの市場区分があり、約3,900社が上場しています。時価総額は約900兆円に達し、ニューヨーク証券取引所、NASDAQに次ぐ世界第3位の規模を誇ります。デリバティブ市場では、日経225先物- オプション、TOPIX先物- オプションなど、多様な金融派生商品が取引されています。

テクノロジーと取引システム

JPXは最先端の取引システムarrowheadを運用しています。このシステムは、注文受付から約定通知まで1ミリ秒以下という超高速処理を実現し、世界最高水準の信頼性と処理能力を誇ります。また、コロケーションサービスの提供により、高頻度取引（HFT）業者のニーズにも対応しています。2024年には次世代システムへの更新も計画されており、さらなる高速化と機能拡張が予定されています。

国際連携と市場開放

JPXは積極的な国際展開を進めています。シンガポール取引所（SGX）との包括的提携、上海証券取引所との協力関係構築、ロンドン証券取引所グループとの情報交換など、グローバルな連携を強化しています。また、外国企業の上場促進、英文開示の充実、海外投資家向けIRの強化など、市場の国際化を推進しています。

ESGと持続可能な市場づくり

JPXは持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。ESG投資の促進、グリーンボンド- ソーシャルボンド市場の育成、TCFD提言に基づく情報開示の推進など、サステナブルファイナンスの発展に貢献しています。また、JPX日経インデックス400など、企業価値向上を促す指数の開発- 提供も行っています。コーポレートガバナンス- コードの策定- 改訂を通じて、上場企業のガバナンス向上にも取り組んでいます。