Multi-Currency Contract

概要

多通貨契約（Multi-Currency Contract、マルチカレンシー契約）とは、契約における金額の表示、支払い、請求、あるいは価格設定などの基準となる通貨を、単一の通貨に限定せず、契約当事者間の合意に基づき、複数の異なる通貨の中から選択したり、組み合わせたりすることを可能にする契約条項、またはそのような条項を含む契約全体を指します。

目的と利点

• 為替リスク管理: 為替レート変動リスクを軽減するために、複数の決済通貨オプションを持つ。
• 利便性の向上: 国際的な事業展開を行う企業が、各地域の現地通貨での支払いや受け取りを可能にする。
• 資金調達- 運用の柔軟性: 多通貨での借入や預金が可能な契約（マルチカレンシーローン等）により、有利な通貨を選択できる柔軟性を提供。

利用場面

• 国際売買契約: 輸出入代金の決済通貨を複数から選択可能にする。
• ライセンス契約: ロイヤリティの支払い通貨を選択可能にする。
• 融資契約（マルチカレンシーローン）: 融資枠内で複数の通貨から選択して借入- 返済が可能。
• 預金契約（マルチカレンシー口座）: 一つの口座で複数通貨を管理。

注意点

• 契約条件（利用可能通貨、選択時期、適用レート、手数料等）の明確化が必要です。
• 通貨選択権を持つ側に有利ですが、相手側には為替リスクや管理の複雑さが生じる可能性があります。

マルチカレンシー契約は、グローバルな取引や資金管理における柔軟性を高めるための契約形態の一つです。