Trading Range

### 概要 トレーディングレンジ（Trading Range）とは、株式、為替、コモディティなどの市場価格が、はっきりとした方向性（上昇トレンドや下降トレンド）を持たず、一定期間にわたって、特定の上限価格水準（レジスタンス）と下限価格水準（サポート）の間で、行ったり来たりする動きを繰り返している相場状態、またはその価格帯（レンジ幅）のことを指します。日本語では「レンジ相場」、「持ち合い相場」、「ボックス相場」などと呼ばれます。 ### 特徴 - **方向感の欠如:** 市場参加者の間で、強気と弱気の勢力が拮抗しており、明確なトレンドが形成されていない状態です。 - **サポートとレジスタンス:** 価格がレンジの下限（サポート）に近づくと買いが入りやすく、上限（レジスタンス）に近づくと売りが出やすくなる傾向があります。 - **ボラティリティの変化:** レンジ相場の中でも、値動きの幅（ボラティリティ）が比較的小さい期間と、レンジ内で比較的大きく動く期間があります。レンジが長く続くとボラティリティが低下し、その後のブレイクアウトに繋がるエネルギーを溜めている、と解釈されることもあります。 ### 取引戦略 レンジ相場においては、以下のような取引戦略が考えられます。 - **レンジ内取引（逆張り）:** レンジの下限（サポート）付近で買い、上限（レジスタンス）付近で売ることを繰り返す戦略。 - **ブレイクアウト狙い（順張り）:** 価格がレンジの上限または下限を明確に突破（ブレイクアウト）するのを待ち、その方向に追随してポジションを取る戦略。 ### レンジ相場の終了 レンジ相場は永遠には続かず、いずれ価格がレンジの上限または下限を明確にブレイクすることで終了し、新たなトレンドが発生すると考えられます。 レンジ相場の認識と、それが継続するのかブレイクするのかの見極めは、テクニカル分析におけるポイントの一つです。